祖父母や両親、きょうだいの世話や家事など、本来なら大人が担うべきケアを日常的に担っている子ども(小中高)をヤングケアラーといいます。文京区では2022年度から「ヤングケアラー支援に向けた連携推進事業」がスタートしましたが、まだ緒に就いたばかりで、一歩先ゆく品川区から支援事業をお聞きしました。
品川区の2023年の調査では、小学4年~高校3年生の約5~8%の子どもが家族の世話をしていると回答、そのうちの3割は「つらい」と感じることがある、「自分の話を聞いてほしい」「食事を作ってほしい」「勉強を教えてほしい」「将来や進路の話を聞いてほしい」など、支援を求める切実な声を寄せています。この「声」は全国的にも、文京区でも同様だと思います。
品川区は、全国でも珍しい元ヤングケアラーのコーディネーターを配置し、当事者の悩み相談や関係機関への助言のほか、配食・学習・訪問支援など直接支援も始まっています。現在666人の利用とのことで、早期発見・支援のためにはアンケートなどを定期的に行っていくとのことでした。
年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を強いられ、大切な教育の機会が確保されず、進学や就職など人生の選択肢を狭めてしまう恐れがあるなど、将来に大きな影響を及ぼすヤングケアラーの存在がようやく認識されるようになりました。
昨年、国の「子ども若者支援推進法」の改正でヤングケアラーが明記されました。自分がヤングケアラーだと認識できるような文京区の取り組みの周知、支援体制のさらなる拡充を求めていきます。
2025.01.14