東京都は7月29日、来年度から15年間ですすめる「東京における都市計画道路の整備方針」中間のまとめを公表しました。「世界で一番の都市・東京」実現のための都市計画道路の整備方針を示し、潤沢な財政を未整備の都市計画道路建設をはじめ大型都市再開発につぎ込む構えです。
これに関し「環状三号線計画がまだあったのか」、「私達が納めた税金は、新たな道路建設ではなく、医療・福祉や教育関連、緑地公園の拡充等、人々のニーズの高い施策に投入を」など、驚きや公共工事のあり方を問う声が私たちに多数寄せられました。
環三道路計画の検討内容を公開せよ
東京都は「環三」事業化の可能性を探るため、事業者に2019~2021年度合計で2,900万円を投じ、江戸川橋体育館、こひなた保育園隣の茗荷谷児童遊園、環三桜並木緑道の3か所で地下水位調査し、道路線形の検討、交差部に配置する橋梁やトンネルなどの構造物の概略設計をまとめた報告書が2022年4月に提出されました。
福手ゆう子都議による情報公開では、検討案の整理、橋梁・トンネル・掘割の概略設計、概算工事費・概算用地補償費の算定に関わる所はすべて黒塗りで、内容を知ることができず、隠ぺいを疑います。
文京区に対し、税金投入されているのですから、少なくとも計画線上にある小日向・水道地域を中心に報告書の内容を明らかにし、区の考え方を知らせる説明会を開くよう求めました。
44年前、当時の区長名で都知事あてに「環状三号線の都市計画決定についての要望書」を提出し、
「当区が実施した『都市計画道路再検討案』のアンケートで、回答者の63%が計画に反対であり、住民側はこの計画に厳しい姿勢を示して・・(略)・・区及び区民にとって重大な問題で・・(略)・・十分考慮し再考されるよう」
と求めています。
都は現在、巨大開発にのめり込んでおり、事態は切迫していると判断し、区が独自に環状三号線に関するアンケートを緊急に行うよう求めています。
6月の都議選で、区長が推薦した候補の一人が、選挙最終盤に街頭で「環三計画廃止を」と訴えており、区長も同じ認識なのかを問いました。今こそ45年前に区と議会、住民が一致して意思表明した歴史に学び、区長と議会で東京都に廃止を要求するため、区民と一緒に力を合わせましょうと呼びかけています。

