いわい桐子

一般質問①能登半島地震から1年-国の責任で速やかに復興を

2025.03.17

※板橋区議会 2025年第1回定例会が行われています。2月13日、区長と教育長に対する一般質問を行いました。順次報告していきます。

初めに、能登半島地震被災者の生活再建と、その教訓から質問をします。

能登半島地震から1年、9月には豪雨災害が襲い、新しい生活を始めたばかりの地域は大きな打撃でした。災害関連死が288人にも及んでいます。支援が届かない、既存コミュニティ単位での避難ができない、早い段階での支援の打ち切り、仮設住宅の狭さなど、阪神・淡路大震災以降、震災復興で積み重ねられてきた経験が生かされておらず、避難生活や復興の在り方、復旧の遅れは過去の震災と比べて突出しています。

家屋の被害判定では、専門家の多くが引き揚げ、自治体職員が担っているため、人手が足りず、不服による2次審査待ちも多く、先が見えません。現行制度の枠内では、家屋が半壊以下の判定だと仮設に入れず、公費解体、医療費減免などが受けられません。修繕に入れず、冬を迎えても壊れた家に住む状況です。

Q.能登で起きている問題は全国で起き得ることです。能登の復旧・復興に国が責任持って取り組むべきです。同じ地方自治体の長として、住宅再建への公費負担引き上げ、中断した自治体職員の派遣、専門家の派遣など、能登の住民や自治体の要望に応えて、実態に合った制度の柔軟な活用や既存の制度枠を超えた新たな支援策を国の責任で実施し、一日も早く生活再建につなげるよう、政府へ強く求めていただきたい。

【区長答弁】

区では、発災直後から支援物資を継続的に輸送した他、金沢市と災害時の相互応援協定を締結し、令和6年度は土木職の職員2名を派遣している。国や県による支援は多岐にわたるため、区では状況を見守っているが、被災自治体に寄り添った対応が継続されると認識している。

政府は災害関連死を防ぐために、福祉的な対応も含めて、災害対策基本法や災害救助法を改正するとしています。そもそも災害救助法や災害対策基本法は日本国憲法25条の生存権を災害時にも保障するためのものです。そのため、実態に合っていない基準などの明確化だけではなく、一人一人の被災者の状況に応じて、健康で文化的な生活を保障する仕組みにならなければなりません。どんな災害のときも、お金の心配なく、直ちに温かい食事や入浴やトイレの設備、医療や介護、教育などが受けられ、障害や子ども、高齢者など、その人の状況に合った対応が必要です。

Q.災害対策基本法と災害救助法の改正に当たって、スフィア基準の根幹にある災害や紛争の影響を受ける人々は尊厳を持って人生を送る権利があり、したがって、援助を受ける権利があるとした考えを具現化する改正となるよう政府に対し区として意見を上げていただきたいが、いかがでしょうか。

【区長答弁】

東日本大震災の教訓を受け、改正された災害対策基本法に基づき、内閣府が平成28年に作成した避難所運営ガイドラインには、既にスフィア基準の考え方が反映されている。現在、災害対策基本法と災害救助法の改正の動きがあるが、区として、その内容を注視していく。

内閣府は昨年12月に、避難所運営の自治体向け指針を改定し、これまでの参考にすべき基準にとどまっていたスフィア基準に対応するよう求めています。スフィア基準では、避難所内の1人当たりの居住スペースを最低3.5平米と明示していますが、区避難所は1.65平米です。マットレスなども避難想定人数分はなく、スフィア基準が求める避難所開設当初から雑魚寝しないという状況には程遠いものです。そこで区長に質問します。

Q.区の避難所の備品、備蓄品や避難所運営などをスフィア基準の考えに基づいて再点検し、必要量や内容の見直しを直ちに行うことを求めます。

【区長答弁】

スフィア基準を踏まえて、避難所の環境整備に努めることは重要な視点であると認識している。国や東京都の動向を注視し、避難所における居住スペースやトイレの配置、備蓄物資の総量など、引き続き質の向上に努める。

※区長の答弁は、いわいメモから要約したものです。正式な答弁は、区議会ホームページで後日公開されます。

最近のNEWS