いわい桐子

「訪問介護事業所への緊急支援を」2025年10月決算総括質問③

2026.01.05

※答弁は、録画配信から書き出したものです。正式な議事録は、後日公開されます。

○いわい桐子

初めに訪問介護事業所が今果たしている役割について、区はどのように認識しておりますか。

○健康生きがい部長

訪問介護事業所につきましては、要介護高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を継続することができるよう、身体介護や生活介護を通じて在宅生活を支える、極めて重要な役割を担っていると認識しているところでございます。

○いわい桐子

続いて、今社会問題になっているように、板橋区でも事業所の閉鎖が相次いでおります。事業所が閉鎖すれば、利用者にとっては大きな負担となります。介護の継続性について、区の認識をお答えください。

○健康生きがい部長

利用者が安心して在宅生活を送るためには、事業所の安定的運営を前提とした介護の継続性の確保につきましては欠かせない要素の一つであると認識しているところでございます。

○いわい桐子

今、閉鎖が相次ぐ中で、その介護の継続性が非常に下がっているというふうな状況になっております。前回の介護保険制度ニーズ調査で、この間赤字と答えた数は何か所で、前々回と比べてどういう状況にありますか。

○健康生きがい部長

訪問介護事業所に対するニーズ調査におきまして、前々回調査と前回調査の最終年度で比較をしますと、前々回につきましては111事業所から回答があったうち47事業所、42.3%が赤字と回答し、前回につきましては145事業所から回答があったうち50事業所、34.5%が赤字と回答をしております。事業の採算性も含めた運営上の課題としまして、前回調査では、第1位は人材の確保、第2位は従業員の育成となっておりまして、人材の確保と育成が課題だと認識していますけれども、赤字という部分も要素としてはあるというふうに認識しているところでございます。

○いわい桐子

第9期に廃止した訪問介護事業所の資料を頂きましたけれども、第9期になってからの廃止した箇所は11か所と区内でも示されております。ここで、明確に赤字経営により事業継続が困難だというのは1件でしたが、それ以外の理由は事業の縮小、それから事業譲渡、事業の統合、吸収合併、運営見直しと事業継続困難とか人員不足とこういうふうに示されております。こういうふうに各事業所がなってしまった理由について、どのような状況かお答えください。

○健康生きがい部長

基本方針が改定となりました令和6年4月から令和7年9月までに廃止された総合事業訪問型サービスの11事業所の廃止につきましては、ご指摘のありましたとおり赤字理由の廃止は1か所でございました。半数以上が大手企業による事業譲渡、運営法人の合併、人材をはじめとした経営資源の有効ということでございますけれども、それぞれ法人の経営上の考え方も含めて、総合的な判断をされた上で廃止という判断だったというふうに考えているところでございます。

○いわい桐子

これは、当然ながら物価高騰の影響も含めて、それぞれの法人の事業が厳しくなってきたということが背景にあるというふうに考えます。そういうときに、区がどういう対応をしてきたかということを求められるんじゃないでしょうか。 

次に、この介護保険の報酬改定が非常に訪問介護事業所に大きな影響を与えたということで、全国的に社会問題になっているというふうに思います。この影響について少し伺いたいと思います。改定の際に、国は処遇加算で1人当たりの賃金が6,000円アップすると言ってきました。実際に、区内の訪問介護事業所の賃金が1人当たり6,000円上がっているのかどうかお答えください。

○健康生きがい部長

国は、介護職員の人材確保をさらに推し進めるために、令和6年度に2.5%、令和7年度に2%のベースアップにつながるよう処遇改善加算の引上げを行いました。実際の増加額につきましては、事業所の加算の取得状況や経験者比率によりまして大きく異なりますので、区内の訪問介護事業所における賃金水準が一律に上昇しているとは把握ができていない状況でございます。民間居宅介護事業所の指定権者は東京都でありますので、事業所は指定権者に対して加算で得た収入額と職員実際に払った賃金上改善額について報告する義務があり、加算の条件が満たされているどうかにつきましては、指導の際に一定の基準に基づいて確認していると認識しているところでございます。

○いわい桐子

東京都の仕事だとおっしゃるけれども、板橋区の訪問介護事業所が本当に6,000円アップしているのか把握をなぜしないんでしょうか。なぜしないんですか、理由をお答えください。

○健康生きがい部長

先ほどご答弁申し上げましたとおり、権限については東京都ということになりますけれども、区といたしましてもいろいろ訪問介護事業所も含めまして介護事業所といろんなヒアリングをしているという状況もありますので、それぞれの経営状況の中では、非公式な場ではありますけれども、いろいろと状況はお聞きしているという状況でございます。

○いわい桐子

これまで繰り返し訪問介護事業所への支援が喫緊の課題だと求めてきたことに対して、区は国と同じ答弁でプラス改定だと言ってきたんですよ。プラス改定だと強調してきたんです。実際に訪問介護、介護の業界が働いている皆さんの賃金をどうアップするかが求められているのに、本当に上がったかどうか点検しない、区として把握しない。東京都が把握しているなら東京都に聞いたらいいじゃないですか。区として把握する必要があると思います。続いて、全産業平均との格差も当初は6万、7万と言われていましたけれども、もう今年の1月には介護労働者の賃金、全産業平均との格差は8.3万円という状況まで広がってきています。こんなに低いことが厚労省の調査で明らかになっています。そういう中で、そもそも6,000円アップという改定では、働いている皆さんの賃金アップとして全く追いついていないと私は考えますが、このことについて区はどのように認識されておりますか。

○健康生きがい部長

全部の産業と比較しまして、賃金格差が依然として大きいことは承知をしておりますけれども、短時間勤務中心の勤務特性から全産業平均よりも非正規雇用の割合が高いことも賃金を低く抑えられている要因の一つだと考えております。最近の物価高騰等を勘案いたしますと、介護職員の賃金につきましては十分であるとは言えない状況であると認識をしているところでございます。

○いわい桐子

十分でないということなので、ぜひ応援する必要があるかなというふうに思っていますが、現在処遇改善加算を取っていない事業所が20%というふうに、区はこの間の健康福祉委員会でお答えですけれども、そういう事業所は基本報酬削減の影響が最も大きくなっているんじゃないかというふうに思いますけれどもいかがでしょうか。

○健康生きがい部長

人件費に係るコストにつきましては、国が介護報酬に上乗せした処遇改善加算と併せまして、事業所が賃上げを実施した場合に賃上げ額の一部を法人税などから控除できる賃上げ促進税制の活用が可能でありまして、処遇改善加算と組み合わせて職員の賃金改善に取り組む仕組みとなってございます。処遇改善加算を取得していない事業所につきましては、基本方針の改定による影響が相対的に大きい可能性もありますけれども、まずは制度の趣旨を踏まえまして、加算の積極的な活用を促すことが重要であると考えているところでございます。

○いわい桐子

加算そのものも、さっき言ったように全く届かない1人当たり6,000円プラスで、ないよりはましというぐらいの中身なわけです。特に小規模であればあるほど、たくさんの書類の提出やいろんな手続に負担が増えるわけです。とてもそんなことできないよというのが小規模のところの声ですよ。そこに対して支援がもっと必要だし、そこは区の対応では十分じゃないというふうに思います。賃金上げるすべがなければ人が集まらない、結果閉鎖していく。それが小規模なところほどスピード感を上げて今進んでいると思います。そういうところに対する支援が、今板橋区として財政的に必要だというふうに考えませんか。

○健康生きがい部長

訪問介護事業所の支援につきましては、いろいろな手段があるというふうには認識をしてございます。これから第10期の介護保険事業計画を策定いたしますので、まずはいろいろな調査ですとかご意見をお聞きしながら、総合的に考えていく必要があるということで考えているところでございます。

○いわい桐子

これまでも繰り返しこの訪問介護事業所に対する支援が必要だと言ってきました。実態調査を求める問いについて、区はずっと次の次期介護計画保険事業のための調査で、それを調査していくというふうに答えてきました。しかし、今回第10期に向けた事業所向けのニーズ調査の資料頂きました。もう山のように項目があって、丁寧に聞くというふうに考えていることは分かりましたけれども、どこを見ても訪問介護報酬、報酬改定の影響について聞く項目がないんですよ。報酬改定の影響の項目を追加する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○健康生きがい部長

区が実施します介護サービス事業所ニーズ調査につきましては、介護報酬にとどまらず、物価高騰や人材確保の難しさなど、介護事業所を取り巻く様々な外的要因や経営実態への影響を幅広く把握することを目的としております。ニーズ調査に加えまして、関係団体との協議や意見交換を通じまして実態の把握に努めてまいりたいと考えておりますので、この診療報酬改定の影響の項目は調査項目に入っておりませんけれども、昨今の物価高騰というのはこの3年間で大きな動きだと思いますので、ヒアリング等を通じまして意見を吸い上げていきたいと考えているところでございます。

○いわい桐子

そもそも何でこれまでその影響について聞いていくと答えていたのに、ニーズ調査にその介護報酬改定の影響が一つも入っていないというの私本当にびっくりしたんですけども、そういう検討もされなかったのか。ぜひいま一度、ヒアリングでということなんですけれども、結果として資料としてどこまで残っていくのかなというふうに思うわけです。具体的にヒアリングでもいいですけれども、必ずこの介護報酬改定についての影響について聞いていただいて、その回答の内容がニーズ調査の冊子に載るようにしていただきたいんですけれどもいかがでしょうか。

○健康生きがい部長

第10期の介護保険事業計画の策定に当たりましては、様々な角度から検討を重ねてまいりますので、今ご提案の部分につきましては、どのような形で記載できるかにつきましてはいろいろ工夫の余地があるというふうに思いますけれども、ヒアリング調査につきましては実施をしたいと考えているところでございます。

○いわい桐子

ぜひお願いいたします。今回のこのニーズ調査は、次期計画に向けてのということで、12月5日までの返信というふうになっていると聞いています。この結果を受けて、一日も早く介護現場への緊急の支援策を講じる必要があると思います。ぜひ検討していただきたいが、いかがでしょうか。

○健康生きがい部長

今回のニーズ調査につきましては、経営状況だけではなくICT機器の導入状況や人材確保の状況など、事業所を取り巻く様々な課題について伺う内容となっております。区では、事業所の規模やサービス種別による実態の把握を丁寧に行いまして、現状と課題を分析した上で持続可能な介護保険制度を運営するために必要な支援策について検討していく考えでございます。

○いわい桐子

次期計画のためなんだけれども、非常に介護現場は喫緊の課題だと思うんですよ。切迫していて、どう事業所をなくさないで住民の介護の継続性を保障していくかなんですよ。そう考えるなら、今回のアンケート結果、調査結果を受けて、この第9期中にも緊急の措置が必要だというふうに踏み切る必要があると思うんです。そこをぜひご検討いただきたいということを求めているんですけども、いかがですか。

○健康生きがい部長

今回の調査、ヒアリング等を実施をいたしますので、その結果を踏まえまして、区として支援が必要だという部分が判断できるものがありましたら、それは当然取り組んでいくことになりますし、国が実施すべきものであればそれを国に求めていくということになるところでございますので、その辺のバランスを取りながら実施をしてまいりたいと考えているところでございます。

○いわい桐子

バランスと言っている場合じゃないというのが、率直に言って介護現場の声だと思います。もうほかの自治体では、市区町村が直接対応しているわけですよ。世田谷区にしても、あちこちの区でもう介護の継続しないと、結果として住民が困るわけですから。区民が介護を受けられなくて、続かなくて困るわけです。私も、先日事業所が閉鎖になっちゃって、もう9月から家族が仕事に行かれていない、こういう相談を受けていますよ。そういう状態なのにバランスとか言っている場合じゃないんです。ぜひ、ぜひこの第9期の間に緊急で対策を行っていただきたいということを求め質問を終わります。

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