11月27日、区議会第4回定例会で一般質問を行いました。
「1.2021年度予算編成について」の質問全文は、以下の通りです。
答弁は、議事録公開後、ご報告します。
続いて、日本共産党の一般質問を行います。
1.はじめに、2021年度予算編成について質問します。
(1)「公助」で支える区政へ
新型コロナウィルスの感染が全国的に急拡大しています。日本でも経済への打撃は大きく、コロナ関連倒産は723件に上り、雇い止めや解雇は7万人を超えています。疲弊する中小企業や生活困難に喘ぐ国民生活を守らなければならない時に、菅政権が「成長戦略会議」で中小企業への支援が「新陳代謝」を困難にしているなどとして、この機会に中小企業の「淘汰」や「再編」を議論しようとしていることは、とんでもありません。
今、政府がやるべきことは、この年末年始が期限となっている雇用調整助成金特例や持続化給付金、住居確保給付金などの延長を直ちに決め、国民の暮らしを立て直すことを第一にした経済政策への転換です。
新年度予算編成を進める上で、政府の「自助・共助」ばかりを強調する冷たい姿勢に対し、板橋区が区民の暮らしを支える役割を果たせるかどうかが、重要になっています。
そこで伺います。
Q1.区が行ってきた「小規模事業者への家賃助成」「ひとり親家庭児童への給付金」「就学援助世帯への給食費支給」は、現金給付です。こうした事業が、コロナ禍の下で区民の暮らしを支える大きな役割を果たしてきたと考えます。区長の見解をお答えください。
区は財源が厳しいことを強調し、今年度の予算まで削り、22億8,800万円を今から財政調整基金に積み上げることを表明しています。困窮する区民を前に、「積立ありき」の姿勢は許されません。
本来、自治体財政は単年度収支であり、区は、財政調整基金は大規模災害や経済不況などの不測の事態に備えて積み立てておくと言ってきました。まさに、今を「大規模コロナ災害」と位置づけ、特定目的基金の用途を変更してでも、思い切った金銭給付に踏み切る時です。
第3波が押し寄せる中で、年末から年明けにかけて、ますます生活が深刻になることが想定されます。すでに、板橋区でも社会福祉協議会の貸付事業は緊急小口と総合福祉資金合わせて、昨年度のゼロ件に対し、10月までに、9,921件もの申請です。区民の生活が困窮し、いま、現金がなければ、日々の生活が間に合わないという切迫した状況であることは明らかです。
Q2.「現金給付はやらない」という方針を撤回し、ひとり親世帯や子育て世帯への臨時給付金、倒産や廃業をさせないための事業者へのさらなる給付金などを行うことを求めます。合わせて、新年度を待たずにこの暮れに路頭に迷うことがないよう、急激に収入が減少した世帯へ「年越し給付金」などを緊急的に実施することを求めます。
次に、区職員の働き方についてです。
コロナ禍の下、区民生活を守る自治体の役割が一層大きくなっています。役割を発揮するためには、区職員が人間らしく健康に働き続けられる環境が保障されなければなりません。
しかし、現在、労働基準法における上限である年間360時間を超える残業を行っている区職員は、未だに71人と異常な状況で「適切な定数管理」とは言えません。それは、学校現場における教職員の労働実態でも同様です。にもかかわらず、区の予算編成方針では、職員定数管理について、残業を減らす視点がひとつも示されていません。
また、今年度から導入された会計年度任用職員の中には、子ども家庭支援センターや消費者センターの相談員のように、長期間、常時、勤務すべきにもかかわらず、フルタイムに満たない時間設定で雇用するような状態が漫然と行われています。区の非正規雇用を見直し、必要な職員の正規化を進めるべきです。
Q3.残業ゼロを目指し、区職員と教職員の抜本的な定数増を図ることを求めます。
(2)予算の柱に、女性と子どもの貧困対策を位置づける必要があります。
10月の自殺者数が2千人を超えたことは、衝撃です。しかも、前年同月比で、男性の21.3%増に対し、女性は82.6%も増えています。女性の就労が多い観光・飲食業はじめ介護や窓口などのサービス業への影響は大きく、非正規雇用の約7割が女性という、コロナ以前からの、女性に不利な日本の社会構造がより顕在化しました。
とりわけ、母子世帯の生活困窮は深刻です。仕事を失い、収入が激減し、特別定額給付金など、手元にお金があるうちは、何とかしのげたものの、資金がつきて、先の見えない不安が女性たちを追い詰めています。この間、低所得のひとり親世帯に5万円と第2子以降の子ども一人につき3万円の現金給付が行われましたが、全く足りていません。
Q4. 区として、ひとり親世帯の実態把握とさらなる支援強化を行うことを求めます。同時に、窓口、電話対応など区のあらゆる部署で「うちの部署ではありません」と帰すことなく、困っていることを聞き取り、適切な部署へつなげる対応を行うべきです。区長の考えをお答えください。
次に、保育園民営化についてです。
区の公立保育所民営化計画は、第1期で6園を民営化する方針ですが、ときわ台保育園、西台保育園、にりんそう保育園、こぶし保育園の個別計画年度は未定となっています。
Q5―①.区立保育園の民営化計画第一期対象園のスケジュールをお示しください。
コロナ禍の経済状況から、保育園の利用希望は増えると言われています。民営化計画には、新型コロナの感染症に伴うニーズの増大や保育所のあり方が踏まえられていません。
厚生労働省は、政府の調査研究をもとに「災害における臨時休園の在り方」を作成しました。そこでは、災害発生時における、防災関係者や医療関係者等について保育の提供の必要性と、その必要量を市区町村が把握し、体制を拠点の保育園として検討しておく必要がある事などが示されました。
公立保育所は、地域の保育水準の基本をつくる役割を持ち、非常時には、民間施設等のバックアップ機能を果たすなど、地域での保育を維持する要となります。
地域の拠点として考えれば、すでに、小学校区に区立保育園が一つもないエリアが発生しています。これ以上、区立保育園を減らすべきではありません。
Q.5-②民営化計画の白紙撤回を求めます。
今年度、親が仕事を探している状況で入園した子どものうち、8月末の段階で未就労の家庭の子どもは108人です。区は、2カ月の就労猶予期限を10月末まで延長しましたが、仕事を探していたものの見つからなかった家庭に対し、保育の役割として、状況の聞き取りや他部署との連携などを率先して行うべきです。
Q6.親が求職中の108名の保育園児のうち、就労できずに退所した子どもは何人ですか。また、その事情を把握し、退園した家庭がどうなったか、追いかけて、必要があれば生活支援の窓口につなげるべきと考えます。区長の見解をお示しください。
(3)次に公共施設整備についてです。
区は、緊急財政対策において、来年度から3年間に着工する予定の公共施設の整備・更新は原則として先送りすることを前提に、スケジュールの見直しと経費の平準化を検討するとしています。
計画の見直しは、期間だけでなく、コロナ感染症を受けて、面積や窓口対応の広さの基準やあり方を見直すこと、そして、区民から求められる需要を基本にした「必要量」で公共施設を設置することを「公」の責任と、とらえる視点を持つべきです。
Q7.エリアマネジメント計画において、緊急事態宣言下でも、利用を制限しなくてもよい「必要量」を公共施設の必要量として、算定することを求めます。
次に、旧保健所跡の施設整備についてです。
Q8.旧保健所を中心としたエリアの「保健所跡地の整備・機能集約」は2022年に工事着工の予定でしたが、スケジュールはどうなるのかお示しください。また、整備手法は、昨年9月に示した、区で直接建設工事、BT方式、BTO方式、リース方式、定期借地方式のどの方式になるのか、お答えください。合わせて、必要な機能は、昨年9月の「旧保健所跡 機能構成図」に示した機能となるのかお示しください。
(4)消費税減税を求めて
次に、予算編成の前提となる消費税についてです。
コロナ危機が、世界各国の経済を直撃する中で、期限などをつけながら10カ国以上が減税を実施しています。
イギリスやオーストリアでは、打撃をうけた外食産業や観光業へのテコ入れや、雇用の維持を目的に、レストランやバー、映画館などで20%から5%に引き下げています。ドイツは、付加価値税の標準税率を19%から16%に引き下げ、生活必需品などの軽減税率も7%から5%に引き下げました。
これらの動きについて第一生命経済研究所は、仮に日本が半年の期限付きで全品目軽減税率を導入すれば「GoToキャンペーン」より大きな効果が見込まれると分析しています。
そこで区長に伺います。
Q9.世界各国の消費税減税による経済への効果について、区長の見解を伺います。
日本経済の落ち込みはコロナの感染拡大前からです。政府の経済政策「アベノミクス」は貧困と格差を拡大し、昨年10月の10%増税がさらなる消費不況を引き起こしました。増税で弱った経済に、コロナが追い打ちをかけたのです。消費税を5%に緊急に戻し、経営が厳しい中小企業については、納税の免除などの対策が必要です。
Q10.日本でも消費税減税に踏み切るよう国に求めていただきたいがいかがでしょうか。