板橋区議会第3回定例会に「子どもの池と児童館についての陳情」が子育てしている区民から提出され、子どもの池と公園に関する項目については都市建設委員会で審査しました。
※児童館についての項目は文教児童委員会で審査されました。
※写真は上赤塚公園の子どもの池です。区ホームページより
陳情が、子どもの池と公園に関して求めていたのは、以下の項目です。
- 子どもの池(通称、じゃぶ池)を来年度は実施してください。
- 子どもの池を、これ以上なくさないでください。
- 各小学校区に1つ、バスケットボールが使用でき、ゴールのある公園を整備してください。
- 10月12日の区議会本会議の結果は不採択です。
会派など | 共産
(9) |
自民
(15) |
公明
(10) |
民主ク
(4) |
無所属の会
(2) |
社民
(1) |
無所属議員4人 |
態度 | ○ | × | × | × | ○ | ○ | × |
※自民党は議長が議決に参加しないため、15人になっています。
区が2015年に発表した「こどもの池見直し計画」のアンケート調査結果は、タウンモニター&eモニターも「こどもの池」管理運営協力会(主に町会・自治会)も利用者も「こどもの池として存続することが望ましい」が最も多い結果になっています。
板橋区の魅力の一つである、こどもの池は存続すべきです。
以下、私の討論全文をご紹介します。
「ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表して、陳情第171号 こどもの池と児童館についての陳情(公園整備・運営の件)の、委員会決定「不採択」に反対し、陳情に賛成する立場で討論を行います。
本陳情は、こどもの池の来年度の実施とこれ以上廃止しないこと、バスケットボールが使用でき、ゴールのある公園を各小学校区に一つ整備することを求めています。
陳情に賛成する第一の理由は、コロナ禍であっても、積極的にこどもの池を実施すべきだからです。
こどもの池は、夏の一定の期間、気軽に水の中に入って遊ぶことができる場所として、子どもたちにとっても、家庭にとっても大切な役割を果たしてきました。
しかし、区は、新型コロナ発生以降、2020年、2021年と2年に渡って感染拡大防止を理由に子どもの池の実施を見送ってきました。
子どもたちはコロナ禍の1年半以上を、遊ぶことを制限され、保育園や幼稚園、小中学校などの行事も相次いで中止、あいキッズの利用も制限され、児童館では、コロナ前から小学生以上は体を動かすこともできない状況でした。そうした中、子どもの池実施への期待は高まっています。
区は、今年度、21か所のこどもの池のうち11か所の運営連絡会から「実施できる」と回答があったにもかかわらず、全面的に中止しました。感染への不安から、運営が難しいという判断をした運営協力会があることは致し方ありませんが、本来であれば、区として感染予防策も含めて、どうしたら実施できるのかを積極的に検討すべきだったと考えます。
また、区は「マスクをして利用することは熱中症の心配がある」としていますが、利用人数の制限をし、順番に利用することなどで、水に入るときはマスクを外す対応で利用も可能だったと考えます。
陳情に反対した委員は「感染状況がどうなるか分からない中で実施を限定できない」と言いますが、むしろ9月・10月の今の時点で「来年中止するかも」と考えるより、積極的に実施する方向で準備を行うべきであり、今からなら感染対策や熱中症対策は十分間に合うと考えます。
第二の理由は、こどもの池を減らすのではなく、むしろ増やしていく必要があるからです。区は、最大で39か所の子どもの池を持っていましたが、刷新計画、行革方針の下で、毎年削減を続け、今年度も中台公園と徳丸公園の2か所を廃止し、現在は21か所で、約半分まで削減しました。
区は、今後のこどもの池について、老朽化している施設の維持管理にコストがかかることを理由に、直接水に触ることのできる噴水やミストなど「人の管理がいらない水施設」への変更を今年度中に検討し方針を示すとしています。
しかし、区が、平成27年に行った「こどもの池に関するアンケート調査」では、タウンモニターとeモニターで37%、こどもの池管理運営協力会で49%、こどもの池利用者では95%が「こどもの池として存続が望ましい」と答えており、「噴水広場などの水遊び施設への移行が望ましい」を大きく超えています。
にもかかわらず区が、21か所までこどもの池を減らしてきたこと自体が、区民の意見を聞くつもりがないと言わざるを得ません。
陳情に反対した委員は「『じゃぶ池』で親しまれている施設を『噴水』では対抗できないから例えば『わいわいシャワー』などと名づけて板橋の新たなブランドにすればいい」と言いますが、それは、名前を変えて施設の廃止をごまかすことに他なりません。
子どもの池は、「ジャブン」と水に入って遊べることに意味があります。必要なのは、区内のどこにいても、夏になれば自由に子どもたちが水に入って遊ぶことができる施設だと考えます。
第三の理由は、こどもの池の運営を通じて地域の活性化も生み出す可能性があることです。
区は、こどもの池を運営する運営協力会の多くを担っている町会・自治会の高齢化も課題としています。しかし、「課題があるからなくせばいい」では地域の発展はありません。こどもの池利用者の保護者や子育て世代と町会・自治会を巻き込んで運営について協議を行う過程が、各団体の高齢化を解決するヒントにもなり得ると考えます。「危機こそチャンス」の視点で、子どもの池の在り方、若い世代の協力を生み出し、地域の活性化に生かすべきです。それこそが、住民で公園の在り方を協議するパークマネジメント計画なのではないでしょうか。こどもの池を減らすことを前提にするのではなく、存続も含めて住民参加で検討すべきです。
第四の理由は、バスケットゴールのある公園を求める声は高く、その需要に応えるべきだからです。
現在、4か所の区立公園にバスケットゴールが設置されています。区は、その場所の維持についてシューズやボールなどの騒音や夜間の利用、いたずらなどの課題があるとしています。しかし、質疑の中で、設備の素材などの工夫によって課題の解決にもつながる可能性があることが分かりました。
また、小中学生が児童館で遊べなくなったこともあり、「公園でボール遊びがしたい」という要求は高まり続けています。それは同時に、青少年の居場所やコロナ禍の子どもたちが求める居場所としても有効だと考えます。区内全体で必要な居場所をと考えれば、少なくとも小学校区に一つは設置する必要があると考えます。課題となる近隣住民との関係こそ「パークマネジメント計画」を生かして、一つでも多く子どもたちにとっての居場所になる公園を増やす計画こそ策定すべきです。以上で、私の討論を終わります。」