3月6日、区長の施政方針に対して代表質問を行いました。
長文なので分割して、掲載します。
(4)次に、基金積み上げと大規模再開発についてです。
坂本区長の就任当初323億円だった基金総額は、1,144億円となり、4期16年間で821億円も基金を積み上げました。区長が、「財政難」を強調し、「現金給付は行わない」、新規事業は、「3年限定」で、しかも「既存事業の見直し」を条件にしたスクラップアンドビルドを掲げ、年度当初から「契約差金は使うな」と号令してきた結果です。
一方で、新年度予算概要には「大山駅周辺地区、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅周辺地区のまちづくり事業の進捗に伴い、歳出規模が増大する」ことを示しています。現在、都市計画決定されている開発総事業費は、約1,473億円で、資材高騰の継続やこれから進めるピッコロスクエアと高島平地域を含めれば、多額の財源が必要となります。開発事業への、多額の税金投入が、区財政運営へ影響し、その結果、区民の暮らしへの財政出動が後回しにされるのではないでしょうか。
Q15.区長は施政方針で「進展する駅周辺のまちづくりなど、多額の経費負担を伴う事業が継続する」といいますが、まちづくりにおける多額の経費において何が懸念となるのか、お示しください。
Q16.現在、都市計画決定されている開発事業に伴い区道や公園など区が管理する公共の施設整備も行われます。土地建物の買い取りなども含めて、区単独の支出は1円もないのですか?
国は「国土強靭化」の名のもとに、大規模再開発を優先にして、日々の暮らしにかかわるインフラ整備や災害対策は後回しにしてきました。国と都上げて開発前のめりで進めています。都市計画決定されなければ、国や都の財政支援はなく、一定の規模がなければ、道路整備やまちづくりは都市計画とは位置付けられません。こうして大規模再開発の道が誘導されてきたのではないでしょうか。
Q17.都市計画決定を受けた都市計画事業と都市計画決定を受けていない事業において、国庫補助金や都補助金などの財源にどのような違いがあるかお示しください。
大山の元公社住宅の都有地も、JR板橋駅前B用地も、タワーマンション建設です。旧高七小跡地への高層住宅などの建設も、公有財産をマンション建設に売り渡すものです。民間デベロッパーの言うままに「駅前開発はタワーマンション」という考えを捨てて、住民ニーズである低廉な家賃で入居できる住宅こそ増やすべきです。
Q18.大規模なタワーマンション計画を見直し、「公営住宅は一戸も増やさない」とする「区営住宅再編整備基本方針」を撤回し、区営住宅を抜本的に増やす方針を持つべきです。区長の見解をお示し下さい。
区の計画でも介護保険事業の施設整備が計画通り進まない原因の一つは「土地の確保」です。障害者施設も全く足りていません。
Q19.なぜ、公有地の活用において、介護施設や障害者施設より、タワーマンションの計画が優先されるのでしょうか。公有地は、必要な福祉施設の活用を最優先にするべきです。
(区長答弁)
次は、まちづくり事業における懸念事項についてのご質問であります。大山駅周辺、上板橋駅南口駅前地区、板橋駅西口地区などの再開発事業が現時点で同時並行的に進捗をしておりまして、令和5年度予算においては81億円余の多額の予算を計上しております。再開発事業は都市計画事業でありまして、国庫補助金の市街地再開発事業補助金などに加え、都補助金である都市計画交付金の収入が見込まれる事業でもあります。しかしながら、区としましても38億円余を一般財源として負担をすることとなり、区負担額の増減が各年度の予算編成に大きな影響を及ぼすため、その動向を十分に注視していく必要があると考えています。
次は、再開発事業などの都市計画事業の区の負担についてのご質問であります。市街地再開発事業及び連続立体交差化事業は東京都の都市計画交付金の対象事業となり、土地建物の買収経費も交付対象となっております。都市計画交付金は、国庫補助金などの特定財源を控除した区負担分の概ね25%が事業年度に交付され、残りの75%につきましては翌年度以降、財政調整交付金の基準財政需要額に4分の1ずつ4年間にわたり算入され、一般財源である普通交付金として交付されることとなります。都市計画事業認可前などの関連経費につきましては区が負担をしているものの、都市計画交付金の対象事業におきましては、計画区域内における事業費の区負担分は最終的には措置されることとなっております。
次は、都市計画事業における財源についてのご質問であります。都市計画事業につきましては、都市機能の更新や都市防災等に重要な役割を果たす公共性の高い事業でありまして、国庫補助金の交付対象となっております。また都補助金につきましては都市計画事業のうち、都市計画道路整備事業、都市計画公園整備事業、市街地再開発事業、連続立体交差化事業を含む8事業が、東京都の要綱において都市計画交付金対象事業として定められております。一方、都市計画事業の対象とならない場合には、同等の財源措置は見込めないところでございます。
次は、板橋区営住宅再編整備基本方針を撤回すべきとのご質問であります。板橋区営住宅再編整備基本方針は、区営住宅とけやき苑の再編整備に関する基本的な方針を定めて、将来にわたって安定的、継続的に整備供給することを目的としております。現在、この方針に基づく供給戸数を維持していくために、区営住宅の再編整備に取り組んでいるところでございます。
続いて、福祉施設を優先した公有地活用についてのご質問であります。公有地の活用に当たりましては、取得した経緯や土地の持つポテンシャル、区政全般にわたる課題及び地域課題、まちづくりの状況などを総合的に判断をいたしております。これまでも区有地におきまして、民間活用による保育所や介護福祉施設の整備を進めてきておりまして、東京都においても都有地を活用し、福祉のインフラ整備を進めているところでございます。今後も引き続き、将来を見据えながら適宜適切に課題に対応し、住民福祉の向上を図るために公有地を最大限に有効活用していきたいと考えています。