いわい桐子

区長に迫る代表質問7「貧困の実態に目を向けよ」

2023.04.06

3月6日、区長の施政方針に対して代表質問を行いました。
長文なので分割して、掲載します。

(5)次に「貧困と格差」についてです。

 区は「いたばし№1実現プラン」を、コロナ対策と「SDGs」「DX」「ブランド」戦略を重点に見直すとしています。見直しは、区民の暮らしの実態に照らした検討が必要です。これまでの№1実現プランや区の計画には、「貧困」の視点がなく、区民の暮らしに広がる貧困や格差を把握し、分析し、解決を図ることが位置付けられていません。そのため、喫緊の課題である「自殺対策」でも自殺にたどり着く過程で多くの人が「経済的な困難を抱えていた」実態をつかんでおきながら、その対策は、現状の仕組みを案内することに留まっています。「住宅マスタープラン」でも、20代の家賃助成を求める声や高齢者の公営住宅を求める声が示されたアンケート結果に応えていません。「アクティブプラン」でも、女性の貧困や男女の賃金格差など、社会構造によって生み出されている経済的困窮に対する分析は示されていません。

Q21.区職員が生活苦の実態を目の当たりにしながら、なぜ、区の計画づくりで「貧困」に対する分析や課題を正面からとらえられないのですか?経済的な支援に踏み込もうとしないのは、区の「現金給付は行わない」や「スクラップアンドビルド」という方針が足枷になっているのではありませんか?区長の考えをお答えください。

 当初予算に示される物価高対策は総額41億円のうち、区の財政支出は2割程度です。物価高にあえぐ区民や事業者に対し、区として、さらなる支援を行えたはずです。新型コロナ対策は、総額50億円ですが、その中にはGIGAスクールなどコロナ対策とは言えないものも多く、区民や事業者への直接的支援は、産業融資利子補給の約4億円と住居確保給付金の約7700万円だけです。区民の暮らしは未だ深刻な状況で、経済的支援の拡充こそ必要です。

Q22.区独自で「現金給付」などの経済的支援の実施を求めます。

(区長答弁)

 次は、計画における貧困対策についてのご質問であります。区では貧困問題に対し、さまざまな経済的支援と相談支援及び自立支援等の対策に取り組み、特に子供の貧困対策は№1プランの戦略事業に位置づけてまいりました。課題分析や対策の充実につきましては、総合計画及び個別計画のPDCAサイクルの中において、効果的な施策を検討してまいりたいと考えています。

 続いて、経済的支援を行わない理由についてのご質問です。事務事業のスクラップ・アンド・ビルドは財政運営指針に基づきまして、新規事業などの実施に当たり類似重複事業の整理統合を図り、事務事業の新陳代謝の促進を目的としております。また、経営刷新計画の考え方に基づきまして、行政経営における生産性の向上と質の高いサービスの提供を行うため、原則、現金給付事業を行わない方針といたしました。いずれも財政環境の変動時において、区民サービスの安定的な提供など行政の継続性を堅持しながら、持続可能な区政経営を推進するための考え方であり、今後ともこの方針を踏襲していきたいと考えています。

 次は、区独自の経済的支援の実施についてのご質問であります。現金給付など区独自の経済的支援につきましては、今後とも区民の生活実態や区内事業者の経営状況を十分に見極めた上で、総合的に判断してまいりたいと思います。

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