いわい桐子

一般質問を行いました⑥「介護の充実を」

2023.09.29

日本共産党区議団を代表して区長に対する一般質問を行いました。

「社会保障の抜本的な拡充」の2つ目は、「介護保険の充実」です。

※区長の答弁は、聞きながらメモしたものです。正式な答弁は、後日、議事録が公開されます。

質問全文は、以下の通りです。

 続いて、介護保険制度についてです。

 介護保険施行23年、区でも第9期介護保険事業計画の策定が進められています。所得に関係なく一律1割負担だった利用者負担は、一定所得以上の世帯に、2015年度に2割負担、2018年度に3割負担を導入しました。既に利用者の約1割は2割から3割負担です。

 さらに厚生労働省は、反対の声で先送りになっていた2割負担の対象拡大と、老健施設などの多床室の有料化について検討を再開し、年末までに結論を出す構えです。これ以上の負担増は、利用控えに拍車をかけ、利用者の健康と命を脅かすことになるのは明らかです。

 社会保障審議会において、全国老人クラブ連合会の委員は、「高齢世帯のどちらか1人が入所しても、家を手放せるわけではない」「経済的理由で多床室を選ばざるを得ない」と反論し、有料化に反対を表明しました。「認知症の人と家族の会」の委員は、既に有料化されている特養ホームの相部屋利用者は、「生活を圧迫されている」と窮状を紹介し、有料化に伴う影響調査を行うべきだと求めています。

Q13.そこで伺います。国が検討中の2割、3割負担対象拡大と、多床室有料化を進めた場合の、介護を必要としている区民に係る影響をお示しください。あわせて、さらなる負担増を行わないよう国に求めていただきたい。区長の考えをお答えください。

(区長答弁)

 利用料の負担割合拡大は、次期事業計画の策定へ、国の継続的な検討が行われている。超高齢社会到来で、介護給付の増加が続き、保険制度維持のための応能負担拡大の検討は、国全体の視点で行うもの。区としては、国の検討の動向を注視し、情報の収集に努めている。国に要望を行う意向はない。

(いわい質問のつづき)

 板橋区でも特別養護老人ホームの待機者は1,000人を超える状況が続き、施設入居の必要性は高止まりを続けています。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、親などを介護する立場に立った場合、「不安感あり」と答えたのは82%に上ります。介護度が上がるにつれて介護に要する時間は増え、いまだ介護離職は約10万人という実態です。

Q14.国は入所施設から在宅へ転換と言いますが、介護の人材不足なども解決しないまま、在宅介護だけが進むことは、家族介護の負担が改善されないどころか、家族任せの状態はむしろ広がるのではないでしょうか。区の考えをお答えください。

(区長答弁)

 令和4年度の介護保険ニーズ調査では、要介護3以上の同居者を介護している約4割が支援を希望している。大変な苦労がある。また、介護需要の増大が見込まれ、介護人材の確保、定着、育成も、喫緊の課題。次期介護保険事業計画の策定は、家族支援の観点からも、制度の周知や、効果的な人材確保、定着、育成のための施策を検討する。

(いわい質問のつづき)

 「介護保険料が高過ぎる」「いつまでも元気な人は保険料を払っても使えない」という声は後を絶ちません。3年に1度の保険料改定が示される第9期介護保険事業計画について、住民の意見を反映して策定するのは当然です。

Q15.第9期介護保険事業計画の住民説明会はいつ行うのでしょうか。基準保険料額決定後にも説明会を実施していただきたい。また、介護保険準備基金に加え、区の一般財源を投入し、介護保険料が引き上がらないようにすることを求めます。

(区長答弁)

 次期事業計画の説明は、実施方法も含め、現在検討中。次期介護保険料額は、区の一般財源投入は行わず、これまで同様、介護給付費準備基金の活用で、保険料の急激な上昇を抑える。

(いわい質問のつづき)

 今年4月に民営化した区立特別養護老人ホーム「みどりの苑」と「いずみの苑」について、区は、民営化しても何も変わらないと言ってきました。しかし、民営化した区立特別養護老人ホームの「みどりの苑」では、4月の時点で、「看護師もケアマネの配置もなかった」とか、「要介護4・5の人が食事の介助がされず、食事が食べられないまま下げられている、おむつ交換の回数も減少し、パンツやズボンは上まで上げていない、定期的な着替えもされていない」状態だったと聞いています。

Q16.区はこうした実態を把握していますか。直ちに確認することを求めます。また、2か所の民営化した施設の民営化前と民営化後の人員配置について、職種ごとにお答えください。

(区長答弁)

 区立の特別養護老人ホームの民営化について、令和4年10月に説明会を開き、利用者と家族から意見や要望を聞いたが、ご指摘のような苦情を受けていない。事業者にも寄せられていないことを確認した。今後も継続的に民営化後の状況確認を行う。人員配置については、区立と同様、基準を上回る配置を求めている、医師、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等、全ての職種で充足している。

※一般質問のテーマは以下の通りです。順次報告していきます。

1 核兵器廃絶と環境対策の強化を求めて
 (1)今こそ核兵器廃絶の声を板橋から
 (2)原発汚染水海洋放出の中止を
 (3)香害対策の強化を
 (4)プラスチックの分別について
2 社会保障の抜本的な拡充を
 (1)福祉事務所の機能強化を
 (2)介護保険制度の充実を
 (3)紙おむつ等支給事業について
 (4)保険証廃止は中止を
 (5)板橋キャンパス跡地の障害者施設について
3 物価高対策と中小業者支援強化を
 (1)物価高に対する経済的支援を
 (2)インボイス中止と消費税5%減税を
 (3)生活再建につながる国保収納相談へ
4 高島平地域のまちづくり
 (1)高島平グランドデザインについて
 (2)高島平駅・西台駅の駐輪場対策について

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