
※板橋区議会 2025年第1回定例会が行われています。2月13日、区長と教育長に対する一般質問を行いました。順次報告していきます。
次に、学校をなくさないと宣言することを求めて質問します。
(1)過小規模校への対応強化を
区教育委員会は、いたばし魅力ある学校づくりプランの後期計画を策定するため、2035骨子案を示し、前期10年間は区の人口推計を上回る人口増とコロナ感染症拡大時の緊急財政対策、まちづくりによる大規模集合住宅建設で学校整備スケジュールの遅れと教室不足を生んだとしています。そして、後期計画の骨子案では、6学年全て単学級となった2つの小学校を過小規模化の進行により対応を要する学校とし、一定の期間、規模回復の取組を行った上で、規模が回復しない場合には、統合するための協議会を設置するとしています。また、今後の学校整備において、学校教育のみを考えるのではなく、防災、地域連携、環境への配慮、生涯学習とのつながりといった機能や視点を持つことを位置づけています。そこで教育長に伺います。
Q.教育委員会が新たに必要と考えた学校施設の防災拠点などの機能をなくしてもいい地域があるのでしょうか。教育長の見解をお示しください。
【教育長答弁】
新しい時代の学校整備に向けて、学校教育のみを考えるのではなく、防災や地域連携などの機能や視点が必要。少子化の進行により学校の統廃合は進んでも、学校が持つ多様な機能は残された学校で十分に発揮される。
教育委員会が課題とするように、大規模な住宅の更新後の世帯構成は学校の児童数に大きく影響しています。とりわけ新河岸地域は、もともと工業地帯に大規模な都営住宅ができたことから、子どもが増え、小学校、幼稚園、保育園と、子どもが育つために必要な施設が設置され、まちがつくられた地域です。しかし、都営住宅の高齢化に伴い、児童数減少を生んだだけではなく、区立保育園のゼロ歳児保育の廃止、区立幼稚園の廃園と続き、ますます児童数減少の条件をつくってきた区の責任も重大です。地域では学校がなくなるかもといううわさが立ち、その児童数への影響も計り知れません。もともとこの地域は用途地域からも大規模な住宅を建てづらい地域で、民間任せでは学校規模の改善にはなりません。現在、建て替えている新河岸二丁目都営団地は、新しい住宅に単身世帯向けの1DKが最も多く、子育て世帯が入居できる住居は15%程度しかありません。
Q.まず、学校は過小規模校になっても廃校にしませんと宣言すべきです。また、東京都に対し、新河岸都営団地の建て替えで、ファミリータイプをもっと増やすことを求めていただきたいが、いかがでしょうか。
【教育長答弁】
令和6年7月に、板橋区立小中学校の適正規模及び適正配置に関する基本方針を策定し、過小規模校への具体的な対応について示した。基本方針では、規模回復に向けて、学校や地域と共に対応策を協議し、取り組むことに加えて、一定の規模を下回った場合の統廃合の手順について定めている。
一定の規模を下回ると、教育環境に及ぼす影響が大きくなることに鑑み、統廃合については、基本方針で示した流れにのっとり、適切に対応していく。
【区長答弁】
東京都は都営住宅の建て替えに当たり、建て替え前の入居者の世帯構成に応じた的確な構成、面積規模の住宅供給を図っていると聞いている。都営新河岸二丁目アパートの建て替えにおいても、この考え方により整備を進めており、計画が進捗していることもあるため、東京都に対して、ファミリータイプの増設を求めることは難しいものと考えている。
(2)小中一貫校拡大計画の撤回を
次に、小中一貫校についてです。
魅力ある学校づくりプラン2035骨子案では、小中一貫校を板橋、志村、常盤台、赤塚、高島平の5つのエリアに1校から2校ずつ整備するとしています。整備する学校は19学級以上の大規模校ではない、十分な面積を確保できる、小学校の通学区域が中学校の通学区域に内包されている、この3つの条件に当てはまる学校にするとしています。
Q.現在、その3つの条件に当てはまる学校はどこで、何校あるのか、お示しください。また、その5つの学校は、施設一体型の小中一貫校と考えているのでしょうか、お答えください。
【教育長答弁】
令和6年11月に公表した骨子案では、各地域に1~2校を目安に、整備に当たっての3点の条件を示した。設置条件に加え、老朽化度合いや児童・生徒数の将来推計などを考慮し、小中一貫型学校として、どの学校を整備するか、効果を高めるにはどのように整備するか、素案にて提示する予定。
小中一貫校化は、国の公共施設総量抑制方針を背景に全国で進められてきました、つくば市教育長は、2019年に5校目の小中一貫校はつくらないと計画の中断を示しました。そこでは新たな大規模化と小6問題に加え、施設一体学校がきれいになる一方で、それ以外の学校の老朽化が著しくなるなど、学校間格差が生まれています。既に全国でこうした問題が明らかになっている今、板橋区で施設一体型の小中一貫校を設置することは、教育環境の向上よりも公共施設の総量抑制によるコスト削減を優先していると言わざるを得ません。教育委員会の適正規模・適正配置に関する基本方針では、1校目の志村小と志四中の一貫校の検証をすると書かれていますが、この1校目でさえも、住民や教育関係者からたくさんの反対意見が上がり、入札不調も繰り返されています。
Q.そもそも小中一貫校による学校大規模化は、区の基本方針による望ましい学校規模を大きく超えるもので、教育環境の向上とは逆行するものです。小中一貫校を整備する方針は撤回すべきです。教育長の考えをお示しください。
【教育長答弁】
小中一貫型学校は、小中一貫教育のパイロット校として、場所、人、学びをつなぐことで、事業革新や異学年交流などの特徴的な取組を期待している。9年間を見通した教育課程の編成はもとより、小学校と中学校それぞれのよさを教員が互いに取り入れることで、指導力の向上と授業の充実につながる。また、小学生と中学生の日常的な交流により、学びに向かう力や思いやりや助け合いの心が育まれることから、現在策定中の計画に基づき、小中一貫型学校の整備を進める。
※区長の答弁は、いわいメモから要約したものです。正式な答弁は、区議会ホームページで後日公開されます。