いわい桐子

高島平地域まちづくりに関する陳情に賛成

2024.10.11

 本日(2024年10月11日)、本会議で、日本共産党板橋区議団を代表して、「高島平地域まちづくりに関する陳情」に賛成の立場で討論を行いました。

 討論全文は、以下の通りです。

「ただいまから、日本共産党板橋区議会議員団を代表し、陳情第66号高島平地域まちづくりに関する陳情に賛成する立場で討論を行います。

本陳情は、区が策定を検討している「高島平2・3丁目周辺地区 地区計画」の住民説明会を受けて、区画道路1号の撤回と再整備地区の旧高七小跡地の高さ制限を110メートルに緩和することの再検討を求めています。

高島平地域のまちづくりは、平成17年に旧高七小学校が廃校して以来、その跡地活用として「シニア活動センター構想」や「大規模商業施設」「高層マンション」など、検討が繰り返されてきました。計画が二転三転し、平成30年にURが建て替えを示したことで突如、URの建て替え用地として計画が動き出し、今に至っています。

本陳情に賛成する第1の理由は、区画道路1号が、住民にとっての「町の安全」を損なうことになるからです。

区画道路1号は、旧高七小跡地と隣接する高島平3丁目団地の間の区道を延伸させ、高島平緑地をつぶして、高島通りに通り抜ける道路を整備する計画です。

高島通りと並行に走る緑地帯や区道は、車が通らず、住民にとっての生活道路になっています。小中学生や都立高校など多くの子どもたちが通学に利用し、放課後は安心して走り回る場所です。高齢者が休みながらゆっくり歩くことが可能な道路です。そこを横断する区道を整備し、車を通せば、車の総量は大きく増えることは間違いありません。駅前交差点から、距離がないため、信号が設置できないことも明らかになりました。信号もつかず、車をよけながら子どもや高齢者が横断することになるのは、あまりにも危険です。その安全対策は、未だ示されておりません。

区は、再整備地区にできる構造物からの車の出入りが、西側の3丁目団地側からしかできず、南側の赤塚公園通りの出口に集中するために、北側の高島通りへの区道が必要だといいます。

しかし、けやき通りへの出入りの方法や、高島平区民館と高島平図書館の間の区道を一方通行から、双方向にしていくことなど、まだまだ検討できることはあるはずです。そもそも、生活道路に車の総量を増やすような計画そのものの再検討も行わず、URの高層住宅建設だけを前提に「交通ネットワークの構築」などと言い、地元住民に「危険な道路」を押し付けることは問題です。

第2の理由は、高さ制限を110mまで緩和する理由も、必要性も、根拠が示されず、納得の得られる説明がないからです。

URの建て替え対象となっている33街区は約2,000戸です。区の説明では、旧高七小跡地に建てるURの賃貸住宅は、何世帯入れるのか、何階建てになるのか、入居後の家賃がどうなるのか、商業施設はどのくらいの規模になるのか、何も示されていません。建てる計画が分からないのに、どうして「110m」という高さが算出されたのでしょうか?説明会で参加者から「なぜ110mが必要なのか?」と繰り返し質問が出ても何一つ納得の得られる回答は示されませんでした。高層住宅が建てられることによってビル風、日照、騒音、電波障害などの不安を感じている住民に対し、「計画はわからないが、先に高さ制限だけ緩和します」と言って、誰が納得できるでしょうか。オープン型住民説明会で、私もURの担当者に「来年6月の地区計画策定前にURの住宅の内容が明らかになるのか?」と尋ねても「スケジュールもまだ示せない」と答えるだけで何一つわかりませんでした。にもかかわらず、区が「建築基準法上問題ない範囲なので、環境アセスメントは必要ない」と言っても、誰が信じられるでしょうか。近隣住民に対して説明責任も果たさず、あまりにも乱暴に計画を推進する姿勢に、住民の怒りが広がるのは当然です。

第3の理由は、区の部分的な「地区計画案」が住民不在で検討され、発表後も住民合意を得られていないからです。

区は、旧高七小を中心とする「再整備地区」だけの地区計画案の策定としています。旧高七小跡地をきっかけに始まった高島平地域のまちづくりは、全体像はゾーニングという表現ばかりで、未だに、区民事務所、児童館、地域センター、図書館、健康福祉センターなどの公共施設がどこに、どういう規模で設置されるのか、具体的には示されていません。建て替え対象エリアとなっている2丁目33街区がこの先どうなるのか、何も示されておらず、いま住んでいる住民が、これからも住み続けられる町になるのか不安の声が上がっています。しかも、地区計画策定は、区とURだけで検討され、同じテーブルに住民が参加できていません。検討過程は公開もされず、住民不在で検討する姿勢は問題です。住民から、「全体像が分からないのになぜ再整備地区だけ決めるのか?」「一体だれが、どこで決めるのか?」などの意見が出るのは当然ではないでしょうか。6月の住民説明会でも、9月の地区計画原案説明会でも、区画道路1号の整備と高さ制限引き上げに対する必要性や安全性への疑問、環境の課題などに対する意見が噴出しました。しかし、納得の得られる回答はなく、むしろ「意見を聞くだけでなんにも反映されない」「説明会は単なるガス抜きか!」と怒りの声がますます高まっています。住民合意とは程遠く合意の得られないまま計画を進めるべきではありません。

最後に、本陳情は都市建設委員会で、各委員の態度表明は、「継続審査」を主張する委員と「採決」を求める委員が同数になりましたが、委員長の判断で「継続審査」が否決され、「不採択」となりました。本来なら、「継続審査」を求める委員が半数いる場合、委員長は「自分の立場」を優先せず、審議時間を十分とるべきです。十分な審議時間を保障しない委員会運営になっていることに強く抗議します。

以上で、本陳情に賛成する、私の討論を終わります。」

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