千代田区議会第2回定例会で行った私の一般質問と区の答弁(未定稿)は以下です。
日本共産党の牛尾こうじろうです。
一般質問を行います。
初めに、マイナンバー保険証についてです。
6月2日、参議院本会議で健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへの一体化を進める「マイナンバー法等改訂法案」を自民、公明、維新、国民の各政党によって可決、成立したことに対し、不安や怒りの声が広がっています。なぜでしょうか。
一つに、マイナンバーカードをめぐる事故が全国で多発しているからです。
個人情報の漏洩をはじめ、他人の情報がひもづけされるという事故が多発しています。
マイナ保険証では他人の医療情報のひもづけが7000件を超えています。
マイナ保険証に他人の医療情報が入力されるなど命や健康にも関わる重大な問題です。
こうした事故の背景に、政府がマイナポイント付与などで、マイナンバーカードの全国民への普及を急ぐあまり、職員の手作業で行われているカードへの個人情報の入力にミスが相次いでいることが指摘されています。
新聞各紙は、保険証の廃止ありきでなく、一旦立ち止まり、国民の不安を払拭することを求めております。
まず、区長の認識をお聞きしますが、度重なる事故が、区民のマイナンバーカードへの不安を広げていることと思いますが、区長はどのように感じていますか。
御答弁ください。
2つ目に、高齢者や障害者、小規模医療機関など立場の弱い方を切り捨てることにつながりかねないからです。
国会での参考人質疑で、マイナ保険証カードリーダー機器設置の義務づけが負担となり小規模医療機関が廃業していること、健康保険証の廃止に伴い創設される資格確認証は自ら申請しなければならず、寝たきりの高齢者や障害を持つ方など申請に行けない方など、多数の無保険者を生みかねないこと、マイナンバーカードとの一体化により高齢者施設・障害者施設等で保険証を預かることができなくなることなど多くの弊害が指摘をされました。
区長は保険証が廃止されることによって高齢者や障害を持つ方など立場の弱い方々が大きな影響を受けかねないことをどのように思いますか、お答えください。
そもそも、マイナンバーカードを取得するかどうかは「任意」というのが大原則です。
デジタル庁のホームページでは「カードの取得は義務ではない」と明確に示しております。
しかし、保険証を廃止してマイナンバーカードに置き換えるのは事実上、マイナンバーカードの国民への強制となります。
そこで、確認しますが、「マイナンバーカードの取得は任意である」。
区長もそのような立場でしょうか、お答えください。
また、保険証を廃止してマイナンバーカードに一体化することはマイナンバーカードの強制になると思いますが、区長の考えをお聞かせください。
一連の不祥事でマイナンバー保険証への信頼は崩れています。
各社の世論調査でも現在使われている健康保険証を来年秋に原則廃止し、マイナンバーカードに一体化することに「反対」という声が多数を占めております。
このような状況のまま、健康保険証を廃止しマイナ保険証への移行に突き進むならば、混乱を招くのは明らかだと思います。
マイナンバー保険証を強制しないこと、現行の保険証を廃止しないことを国に求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
続いて、子育て・教育への支援についてお伺いします。
まずは学校給食の無償化についてです。
地図を御覧ください。
区議選後、さらに23区で学校給食の無償化が進んでいます。
第2子から無償化する区を加えれば、何らかの学校給食の無償化施策を実施している自治体は23区中18区にまでなりました。
これに千代田が加わるので、大変うれしい話ではありますが。
まず、区長、この地図を見てどのように感じていますか。
広がる学校給食無償化をどのように思っているのか、お答えいただきたいと思います。
区議選前の第1回定例区議会で区は給食無償化について「国も一定の割合を負担するなど全国規模で実施するもの」と答弁されました。
議会も国に対し給食無償化を実施することを求める意見書を提出しております。
国として給食無償化を行うことは「義務教育は無償」とする憲法の実践で当然のことです。
しかし、国の動向をいつまでも待つのではなく、住民や子育て世代の要望に応えていく。
これこそが自治体の役割ではないでしょうか。
そして、実施する自治体を増やすことが国として実施を早めることにつながるのではない
でしょうか。
物価高騰はまだまだ続き、7月からは電気代の値上げが襲いかかります。
シングルマザーなど所得が低い子育て世代の支援の拡充が必要です。
区は低所得の世帯には「就学援助がある」と言います。
しかし、就学援助での支援には課題もあります。
跡見学園女子大学の鳫咲子准教授は「給食費無償化を考える-コロナ禍の就学援助と学校給食の役割」という自身の論文で、「就学援助のように対象者を選別する支援は支援を受ける人に恥ずかしい気持ちを抱かせるスティグマの問題がある。
「周囲の目が気になる」というスティグマの存在は、就学援助制度が申請による給付であるという制度の限界」と述べ、「学校給食の無償化は、選別主義による就学援助による支援を、普遍的な現物給付に転換する効果がある」としています。
区長、千代田区でも学校給食の無償化にいち早く行っていただきたいと思います。
御答弁をお願いします。
続いて、子供の遊び場拡充について質問します。
スポーツ基本法では「スポーツは、世界共通の人類の文化であり、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利」としています。
その上で、全ての国民が、安全かつ公正な環境の下で日常的にスポーツに親しみ、楽しみ、支える活動に参画する機会が確保されなければならない」とされております。
日本で人気のスポーツは野球やサッカーです。
しかし、本格的に行うとなると広いスペースが必要で、気軽にとはいきません。
その一方で、街中でも気軽にできるスポーツとして、東京オリンピック以降、3×3、バスケットボールですが、またはスケートボードなどのいわゆる都市型スポーツに注目が集まっています。
そのうちの一つ、スケードボードですが、現在、国内の競技人口は20代以下を中心におおよそ3000人とされていますが、推定で約40万人の愛好者がいると言われています。
千代田区の道などでもスケボーをやっている若者を見ます。
道路や公園でのスケボーは禁止であります。
先日、区役所近くでスケボーをしていた子供たちに話を聞くことができました。
「ここで、やってはいけないことは分かっているが場所がない。狭くてもいいのでスケボーができる場所をつくってほしい」と言っておりました。
日本スケートパーク協会の河崎代表理事は、「迷惑行為があると、「スケートボード禁止」と締め出しをしてしまうことがほとんど。しかし、排除は反発しか生まない」「小さな場所でいい。地域住民の理解を得ながら、公園の一角などにスケートボードが利用できる場所を整備することが望まれる。公道よりもスケートボードを楽しめる場所が増えていけば、迷惑行為は減らせるはずだ」と述べています。
そこでお伺いしますが、スケボーやバスケなどのボール遊びができる場所を整備することが、様々な問題の解決につながると思いますが区の見解をお聞かせください。
写真は墨田区のスケードボードパークです。
墨田区でもスケボーの迷惑行為が問題となっておりました。
一方、子供たちからはスケボーができる場所をつくってほしいという要望が区に届き、区は、住民とも話し合って、交通公園の一部を時間を区切ってスケートボードパークとして開放しております。
下の写真は港区ですけれども、港区でも利用者が少なかった区の公園をスケボーができる広場に整備しております。
写真の港区の広場の広さは錦華公園の半分程度です。
利用している方に話を聞きましたけれども、これぐらい広さがあれば十分と言っておりました。
スケボーやバスケなどは音も出ます。
住宅の近くでは騒音の問題が出てきます。
しかし、知恵や工夫を出せば、千代田区でも整備が可能ではないでしょうか。
そこで、千代田区でも例えば日本橋川沿いの一部を活用したり、スポーツセンターの建て替え時に一部を活用することなどでスケートボードやバスケットができる場所を整備・拡充できないでしょうか。
御答弁をお願いします。
続いて、遊び場を増やしていくことについて質問いたします。
今年の4月からいずみこどもプラザ、富士見わんぱくひろばの日曜開放が始まりました。
児童館の日曜開放は雨の日や炎天下などで外遊びが難しい日曜日に、子育て世代の親子や子供の居場所を提供するもので、その拡大は大いに歓迎するものであります。
一方で、児童館の日曜開放は士曜日とは違い、小学生のみでは利用はできません。
その理由は、主に子供を見守る職員の配置が少ないからです。
日曜日は家族全員で過ごすという家庭も多いとは思いますが、サービス業で働く御家庭は日曜が出勤という日もあるでしょう。
また、ひとり親世帯ではたまの日曜日に自分の時間が欲しいというときもあるでしょう。
その際に、児童館の日曜開放を土曜日と同じように、小学生は保護者同伴でなくても利用できるようになれば、子供にとっても、保護者にとってもよいのではないでしょうか。
そこで、日曜開放を小学生だけの利用も可能にできないでしょうか。
また、人員配置が必要ならば、それに見合う職員の増員、民間の児童館へはそれに見合う支援策も検討していただきたいのですがいかがでしょうか。
お答えください。
さて、区は今年度予算で遊び場の確保を1か所以上行うとしています。
現時点で、遊び場を増やす見込みがあるのかどうかお答えください。
この問題の最後に、子供たちが区政に意見や要望を気軽に言うことができる仕組みをつくることを求めます。
国や自治体が子供に関する政策を決める場合に当事者の意見を聴くことは重要なことです。
錦華公園の整備で、区はお茶の水小学校・幼稚園の子供たち全員にアンケートを行ったことは大いに評価をしております。
一方で、子供たちが行政に対して意見や要望を気軽に届けられるようにすることも大事なことではないでしょうか。
子どもの権利条約12条では子供の意見表明権が明記されています。
子供の意見表明権を保障する仕組みも重要ではないでしょうか。
川崎市では市のホームページで「子供・若者の“声”募集箱~君のつぶやきをきかせて~」というコーナーを設け、川崎市に住んでいるまたは市内の学校に通っている子供たちなどから、川崎のまちに対する想いやまちをよくするためのアイデアを募集しています。
千代田区でも子供たちが気軽に意見や要望を区に届けることができるよう、ホームページの改善などを求めますがいかがでしょうか。
最後に、千代田区特別区税条例の改正案のうち森林環境税について質問いたします。
森林環境税は、2019年に法制化され、2024年から国税として徴収されます。
税収は2019年度から先行的に各自治体に配分されています。
森林環境税の目的は「森林の整備及びその促進に関する施策の財源」とされております。
まず、これまでに区に配分された森林環境譲与税が幾らで、森林の整備やその促進のために何に使われたのかお答えください。
森林環境税の徴収は個人住民税均等割に1000円を上乗せし、東日本大震災などに充てる復興特別住民税が今年度末に期限切れ廃止になるのに合わせ、これに置き換わる形で徴収されます。
森林環境の保全や温暖化対策の財源として税を活用することはあり得ることです。
しかし、今回の森林環境税は温室効果ガスを大量に排出する企業など法人への負担はありません。
一方で、一律に個人住民税の均等割に1000円を課すのは、住民税均等割のみ世帯など低所得者ほど重い負担になるのではないでしょうか。
今回、区民全体で森林環境税の負担は幾らになりますか。
また、森林環境税に低所得者への減免はあるのでしょうか。
お答えください。
以上で私の一般質問を終わります。
子ども部長
牛尾議員の子どもの遊び場に関する御質問にお答えいたします。
まず、スケートボードやバスケなどのボール遊びができる場所の整備についてですが、バスケットボールにつきましては、子どもの遊び場事業の中で一部の広場において時間帯を限定し、実施しております。
バスケットボールやスケートボードなどのニーズへの対応につきましては、限られた場所と利用できる時間帯において、あらゆるスポーツのメニューを実施可能とすることができず、また、他の利用者への安全確保の観点から、現時点においては困難な状況にあります。
こうした課題に対応していくため、場所の確保に努めるとともに、限られた場所において、狭いながらも実施できるスポーツや公園・児童遊園・広場に関するアンケートの結果を踏まえ、遊び場事業の拡充に努めてまいります。
次に、日本橋川沿いやスポーツセンター建て替え時の一部活用などによる整備・拡充についてですが、遊び場として適地であれば、一部であろうと暫定利用であろうと、積極的に活用を図っていくことが基本的な姿勢です。議員御提案の場所につきましては、関係所管との調整が必要となるため、全庁的な検討を行ってまいります。
次に、遊び場を増やす見込みについてですが、今年度、新たに子供の遊び場を確保するための予算を計上しており、現在、遊び場として活用できる候補地を探しているところです。
次に、児童館の日曜開放の拡充についてですが、平成23年度から開始いたしました児童館の日曜開放につきましては、これまで拡充を図り、現在、区立と民間が運営する区内の児童館においてそれぞれ毎月1回実施しております。
日曜日に関しましては、限られた職員体制の中で安全を確保する観点から、親子での利用をお願いしております。
議員御指摘のとおり、日曜日に小学生のみで利用を可能とした場合、安全の確保の観点から、現在よりも手厚く職員を配置する必要があります。
今後、児童館の日曜開放時の利用状況や開放日数のさらなる増を求める等のニーズの把握に努め、必要に応じて関係所管と協力し、職員の確保や支援策を講じていく必要があると考えております。
次に、子どもたちの声を聴くことについてですが、本年4月1日に施行した「こども基本法」では、子供たちが区政等に参画する機会の確保や意見を聴くために必要な措置を講じることについて規定されており、今年度、子供たちに分かりやすい区政情報の提供方法や意見を表明しやすい仕組みづくりに向けた調査・検討を行っております。
教育担当部長。
教育担当部長/牛尾議員の給食の無償化についてお答えいたします。
先ほどの地図にあったように、現状特別区の多くの区が無償化を実施または検討中ではありますが、学校給食の無償化については本来、地域格差が生じることのないよう全国一律の制度設計をするべきであります。
しかしながら実施には相当な時間を要することが想定されます。
物価高騰対策としての給食の無償化についても、総合的な子ども・子育て支援施策の一環として、開始時期や手法を含めた具体案を早急にお示しできるよう検討を進めてまいります。
保健福祉部長。
保健福祉部長/牛尾議員のマイナ保険証に関する御質問にお答えいたします。
マイナンバーカードをめぐっては、議員御指摘のとおり、健康保険証などへのマイナンバーの紐づけに誤りのある事案など、様々な報道がなされております。
それを受けて国は、省庁横断の「マイナンバー情報総点検本部」をデジタル庁に設置し、マイナポータルで閲覧可能な情報について総点検を行うとともに、再発防止のための仕組みを構築するとしています。
区といたしましては、区民のマイナンバーカードに対する不安を解消することが肝要であると認識しております。
高齢者や障害を持つ方々の、いわゆるデジタル弱者への対応についても、当事者の不安を払拭することがマイナ保険証移行に向けての前提であると認識しています。
次に、マイナンバーカードの取得についてですが、本人の申請により区市町村長が交付するものであり、カードの取得が任意であることは御案内のとおりでございます。
区といたしましては、引き続き国の動向を注視するとともに、区民の不安解消に努めてまいります。
議長/地域振興部長。
地域振興部長/牛尾議員の「森林環境税」及び「森林環境譲与税」についての御質問にお答えいたします。
まず、これまで配分された森林環境譲与税についての御質問でございます。
これは令和元年度から施行され、区に交付された金額は令和元年度が691万8000円、令和2年度は1470万円、令和3年度は1505万3000円となっており、姉妹都市でございます五城目町や森林協定を締結しております岐阜県高山市における森林整備、普及啓発等の目的のために活用してございます。
次に、区民全体での森林環境税の負担についての御質問でございますが、令和4年度におきます納税義務者数4万2128人で計算をいたしますと、4200万円余と推計されます。
次に、森林環境税の減免措置についての御質問でございますが、個人住民税の免除措置と同様に、生活保護法の規定による生活扶助を受けている方などにつきましては、申請により免除となる可能性がございます。
議長/牛尾こうじろう議員。
牛尾議員/自席より再質問いたします。
遊び場の件について質問をいたします。
遊び場については予算を組んでいると、現在候補地を探しているとおっしゃいましたけれども、具体的にどんな体制で探しているのか、子どもだけなのか、それともちゃんとほかの部署とチームを組んで探しているのか。
なかなか、まちづくりの部門と子ども部、なかなか意識が一緒にならないという感じがするんですけれども、しっかり各拠点とも協力して探していかないとなかなか見つからないんじゃないかと思いますけれども、いま一度お答えください。
議長/子ども部長。
子ども部長/牛尾議員の再質問にお答えいたします。
現在、探しているといったその探し方の詳細なんですけれども、基本的には子ども部のほうで探しているのはもちろんなんですが、財産担当部署ですとか、庁内においても、低未利用地の活用を含め、また再開発の情報も得ながら、多角的、全庁的に情報収集しまして探しているといった体制でございます。