牛尾こうじろう

第1回定例区議会本会議質問

2024.03.26

第1回定例区議会(2/14~3/14)でおこなった一般質問と答弁と答弁は以下です。(未定稿)

牛尾議員/日本共産党の牛尾こうじろうです。
一般質問を行います。
初めに、元旦に起こった能登半島地震で亡くなられた方に対し、お悔やみを申し上げ、被害に遭われた全ての方々にお見舞いを申し上げます。
また、政府に対し、これまでの支援策の枠にとらわれずに、思い切った財政支出など、復興・支援に全力を尽くすことを求めます。
それでは、質問に入ります。
1月24日、千代田区立小学校の改築工事など、区政の複数の公共事業に伴う一般競争入札をめぐり、入札情報を事業者に漏らしたとして、元自民党の嶋崎秀彦議員と元部長が官製談合防止法違反容疑で逮捕され、今月14日に再逮捕されました。
国政では裏金づくりが問題になり、区政では談合、こうした政治を今こそ終わりにするときです。
談合が行われると特定事業者が高額で落札できます。
実際に、お茶の水小学校の給排水設備工事では、予定価格の99.9%で落札いたしました。
談合は公正な競争を妨げ、税金の無駄遣いにつながる、区民への裏切り行為であります。
特別委員会の設置により、背景や再発防止策等が調査されることになりますが、ここでは基本点に絞って質問します。
今回の入札情報の漏洩疑惑は、嶋崎議員による区の職員への働きかけから始まりました。
再発を防止するには、2つの鍵があると考えます。
一つは、議員に不当要求をさせないルールをつくること。
いま一つは、不当要求があったときにそれをはね返す仕組みをつくることです。
2つの鍵のヒントが今から13年前の2011年3月の区議会100条委員会報告にあります。
公共施設適正配置構想時の小学校校舎解体工事等に関する調査特別委員会のことです。
委員長報告によると、同委員会は、第1に入札に関して議員の不当な働きかけが行われたのか、第2に働きかけによって契約手続がゆがめられたものか、第3に執行機関の取組についてを中心に調査が行われました。
中間「報告」は「小学校校舎等解体工事全体について談合が行われた疑いがあることを否定できない」とし、再発防止に向け、区と区議会に事務改善などを提案しています。
具体的には「区民等からの要望等の記録に関する取扱要綱」並びに「不当要求行為の記録に関する取扱要綱」の改善措置でした。
また、透明で公正な区政運営のために「職員等公益通報制度」など、改善措置も提案しています。
具体的な改善方向も含めての提案でしたが、問題はその提案が生かされたかどうかです。
今日まで、どのように改善がなされたのかについて答弁を求めます。
中間報告は、区議会に対しては「職員に対する議員の不当要求があってはならない」と厳しく指摘し、議員の「規範を示す政治倫理に関する条例」の制定を「検討に値する」と述べています。
残念ながら、何度か検討の俎上に上りながら、いまだに実現するにいたっていません。
我が党として、改めて政治倫理条例の早期具体化を強く呼びかけるものです。
さて、ここで伺いたいのは、政治倫理条例に制定に当たり、議員だけでなく区長、副区長、教育長を対象にすることについてです。
区長の見解を求めます。
続いて、住まいは人権の立場で質問いたします。
我が党が昨年行った区政アンケートでは、家賃補助制度の拡充や公共住宅の建設、単身者や子育て世代への住まいへの支援など、数多くの住宅施策の拡充を求める声が寄せられました。
どの声も切実であります。
住宅の要望の強さは区の世論調査にも反映しています。
千代田区の2023年の区民世論調査では、施策の満足度において、今回も住宅施策だけが「不満」が「満足」を上回りました。
区は昨年8月から9月にかけ、「千代田区の住生活に関する区民意向調査」を行い、その結果などから住宅白書を策定し、第4次住宅基本計画を策定する予定です。
物価高騰はまだまだ続き、暮らしが大変になっている今こそ、住み慣れた地域に安心して住み続けられる住宅の計画と住宅施策の拡充が求められているのではないでしょうか。
その立場から幾つかの住宅施策を求めます。
まず、公共住宅、特に区営住宅の増設についてです。
私はこれまで、幾度となく区営住宅の増設を求めてきましたが、区は「区民1人当たりの区営住宅の数は23区の中でも大きく上回っている」と、増設の願いに背を向けてきました。
区営住宅だけ見れば23区平均以上です。
しかし、公共住宅全般で見れば23区平均を下回っています。
さらに、この5年間、区が運営する住宅の推移を見ると、都心の5区で千代田区だけ戸数が激減しています。
理由は、借上型区民住宅を全て終了したためです。
公営住宅法は第3条で、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するために必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」と、地方自治体に公営住宅の供給を義務づけています。
千代田区の公共住宅の募集に対する応募の倍率は、数十倍から100倍を大きく超えます。
区営住宅が足りていません。
そうした中で、今定例会で条例が提案されている九段南1丁目地区の再開発計画では、戸数が12戸の区営九段住宅が含まれます。
再開発が進めば住宅は取り壊されます。
そこで、2つ質問いたします。
まず、現在、九段住宅にお住いの方の住宅の取壊しが決定後の対応はどうなっていますか。
お住いの方の要望を十分に応えていただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。
第3次住宅基本計画では、区の住宅の基盤である区営住宅の戸数水準を「今後も維持する」としています。
この立場に立てば、九段南再開発が進んだ場合に取り壊される九段住宅の12戸分を、新たに確保することが必要だと思いますが、どのように確保するのかお答えください。
区の住宅施策によって、住宅における格差も広がっています。
住宅情報サービスなどを提供しているLIFULLが発表した「東京23区の新築マンションの平均価格ランキング」では、千代田区は23区中2位で、新築マンションの平均価格は2億2600万円、賃貸住宅の平均家賃はワンルームで約13万円、世帯向けの2LDKでは35万6000円となっています。
千代田区ではこの間、人口が増えていますが、そうした価格でも入居できる方が増えている一方で、千代田区に長年住み続け、地域になじんで地域活動にも貢献してきた方が、年金だけの生活など、収入が減り、住み続けられなくなっています。
「長年住み続けてきた千代田区にこれからも住み続けたい」という願いは、ぜいたくなことなのでしょうか。
住宅における格差をなくしていくことが、行政には求められているのではないでしょうか。
その一つが公共住宅の増設だと思います。
そこで伺います。
第4次住宅基本計画に公共住宅はどのように位置づけるのでしょうか。
増設を明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
御答弁お願いします。
次に、家賃助成の拡充についてです。
先ほど示したとおり、区内の民間住宅の家賃は高く、何かのきっかけで所得が減ってしまうと住み続けられません。
千代田区には「居住安定支援家賃助成」、「次世代育成支援家賃助成」がありますが、いずれも助成対象が限定されています。
区営住宅の倍率は数十倍から100倍を超えます。
それだけ区営住宅の入居基準の所得の方が存在するということです。
同じ所得で一方は公共住宅に入居でき、一方は高い家賃で苦しむ、そうした格差が続くということです。
そうした格差を解消するためにも、「居住安定支援家賃助成」について、民間住宅にお住まいで区営住宅の入居資格がある全ての人を対象にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
住宅問題の最後に都営住宅について質問いたします。
区内には東京都が所管する公共住宅もあります。
その一つ、都民住宅は、中堅所得者層を対象とするファミリー向けの賃貸住宅です。
千代田区にもファミリー向けの区民住宅がありますが、家賃については違います。
区民住宅では家賃は所得に応じてですが、都民住宅の場合、最初の住宅周辺相場等に合わせて設定された「契約家賃」から、国と東京都の補助を差し引いた金額が入居者が負担する「入居者負担額」となります。
その家賃は毎年減少していき、最終的には契約家賃になります。
つまり、年々、家賃が上がっていくわけです。
入居当時、ファミリー世帯で仕事で給与が上がっていく段階ではそれもいいかもしれませんが、入居して数十年たち、年金生活になる頃には公共住宅でありながら家賃が重たい負担となります。
実際に区内の都民住宅に住む方から、パートナーがお亡くなりになり、これまで夫婦2人分の年金が自分1人分の年金になりましたが、家賃は変わりません。
この方は年金の全てが家賃に消え、貯金がなくなれば住めなくなります。
何とかならないかという切実な声を寄せています。
こうした世帯はこれから増えていくのではないでしょうか。
そこで、区として東京都に次の2つを求めていただきたいと思います。
一つは、都民住宅の家賃ついて、収入に応じた家賃制度にすること。
それと合わせまして、都営住宅の募集において、募集する区の区民に優先枠を設けるということです。
いかがでしょうか。
最後に、保育士の拡充について質問をします。
保育士1人が受け持つ子供の人数を定めた保育所の職員配置基準が、76年ぶりに見直されます。
岸田政権は昨年末に閣議決定した「こども未来戦略」に配置基準改正を盛り込みました。
4、5歳児では、保育士1人の見る子供の人数の基準を現在の30人から25人に改めるなどとしています。
4、5歳児の配置基準は1948年の制度開始以来、一度も改善されてきませんでした。
基準改正は保育士や保護者らが国に対して長年求め続けてきました。
現場の切実な要求と粘り強い運動、それと結んだ世論の広がりが国の政治を動かしています。
一方、経過措置として「当分の間は従前の基準により運営することも妨げない」と記しています。
安心できる保育、保育士の負担を軽減するために、公立・私立を問わず、全施設で基準どおりの保育士が確保できる措置を早急に取らなくてはなりません。
千代田区では独自の保育士加算、ICT活用など、保育士の負担軽減策を行っていますが、それでも保育現場では産休が取りづらいため退職する、派遣など非正規保育士がいないと保育が回らないなど、「保育士を増やしてほしい」という声が出ています。
そこでお聞きいたします。
区立保育園において、国が改正する保育士配置基準を満たす保育士の確保の見通しは立っているでしょうか。
区の認識をお聞かせください。
あわせて、区立保育園では来年度、正規保育士を何人採用する予定ですか。
退職する保育士もいると思いますが、差し引きで何人増員になるのかもお聞かせください。
さて、区立保育園では正規保育士のほかに会計年度任用職員の保育士や職員が従事をしております。
会計年度任用職員は1月働ける日数や1日の働ける時間などが決まっていますが、正規保育士の補助として重要な役割を果たしています。
中には、十数年保育を続けている職員さんもおり、配置換えがある正規保育士よりその保育園の実情や子供たち一人一人の状況を知っていらっしゃる方もいます。
そこで、来年度、正規保育士が増員になることによって会計年度任用職員の保育士の雇用を機械的に打ち切らず、働き続ける希望を持つ会計年度任用職員の保育士の雇用の継続を求めますがいかがでしょうか。
以上で、私の一般質問を終わります。

子ども部長/牛尾議員の保育士の拡充についての御質問にお答えいたします。
まず、配置基準を満たす保育士確保の見通しについてですが、国の定める配置基準を満たさなければ保育園の運営は認められず、区といたしましても、全ての保育園において基準を満たすことは必然と考えており、次年度も国が改正する保育士の配置基準に基づく体制の確保に努めてまいります。
次に、保育士正規職員の採用についてですが、年度末までに退職する職員や採用内定の辞退などの可能性もございますので、数は確定しておりませんが、令和6年度は保育士・児童指導・福祉の採用選考において25名程度の募集をしたところ、退職者数を踏まえまして、それを上回る採用人数を予定しており、保育士職員数は今年度より上回る見込みです。
次に、会計年度任用職員保育士の雇用の継続についてですが、保育園等による会計年度任用職員の多くは、正規職員の欠員補充や園児の入園状況等による時限的な任用の側面もあるため、正規職員の増減等により、次年度の職の設置数に変動があることは必然的であると考えております。
いずれにいたしましても、今後も採用人数や採用の時期などを適宜適切に判断し、円滑な保育園運営に努めてまいります。

環境まちづくり部長/牛尾議員の御質問のうち住宅施策についてお答えいたします。
区営九段住宅についてお尋ねがございました。
九段南一丁目地区北街区においては、本定例会で地区計画条例の改正案を御議決いただいた後に、市街地再開発事業の都市計画決定がなされる予定で、その後、事業化されると現在の住宅は一旦除却が必要になります。
現居住者の方々の移転先等については、昨年8月に希望を伺っており、御高齢の方には高齢者住宅を御案内するなど、世帯構成を考慮し、可能な限り意向を酌み取った対応をしてまいります。
住宅戸数につきましては、老朽化した昭和期住宅全体の機能更新に向けた取組の中で、適切に対応してまいります。
次期住宅基本計画における公共住宅の位置づけ及び増設についてですが、本区における1人当たり区営・区民住宅の戸数は、23区平均の約5倍となっており、際立って充実しているということは御案内のとおりだと思います。
こうした中、第3次住宅基本計画では、区営住宅の供給戸数水準を維持するとともに、昭和期の区営住宅の建て替えに向け、耐震性の向上、防犯やプライバシーへの配慮、バリアフリー対策など、居住環境の質の向上に向けた取組を計画的に推進することとしてまいりました。
次期計画においても、こうした流れを継承しつつ、人口動向・人口構成、世帯構成、ニーズの多様化に適切に対応するよう検討してまいります。
次に、居住安定支援家賃助成の対象者の拡充についてのお尋ねがございました。
本制度は居住継続を保証するものではなく、定住の意向を支援する緊急的な対応として最長5年間補助する制度でございます。
御指摘のような対象拡大は、生活困窮者全般の自立支援対策として「住宅確保給付金制度」の拡充など、国の社会保障施策の中で検討されるべきものと認識しております。
次に、東京都への要望ついてですが、御案内のとおり、都民住宅は中堅所得者層が対象です。
家賃補助もありますが、一般的には補助額は毎年減少し、入居者負担額が契約家賃に達した場合などに終了いたします。
リタイア後など、家賃負担が重くなりますが、こうした制度を理解した上で入居されており、それぞれが将来の収入減に備えた自助努力や収入に応じた住み替えなどを検討していただくことが必要であると考えております。
また、都営住宅の区民優先枠についてのお尋ねについてですが、近年は優先枠を受けていない状況が続いておりますが、今後は、できるだけ地元割り当てが受けられるよう調整に努めてまいります。

政策経営部長/牛尾議員の官製談合防止法違反事件に関する御質問にお答えいたします。
まず、公共施設適正配置構想時の小学校校舎解体工事等に関する調査特別委員会の中間報告書での御指摘いただいた各制度への改善点についてでございます。
例えば、職員等公益通報制度におきましては、通報できる対象者の拡大や、行政監察員の確保策などの改善を図ってまいりました。
一方で、各制度での運用面におきましては、形骸化している可能性も否定できませんので、現状も含めて、今後、再発防止対策の中で検討してまいります。
次に、政治倫理条例に関する御質問についてですが、今後の議会、区議会での御議論を参考にさせていただきながら、研究してまいりたいと考えてございます。

牛尾議員/自席より再質問させていただきます。
住宅に絞って、あと、保育もですね、質問いたします。
区民世論調査で住宅施策の不満が続くと、不満が多いことが続くと。
今の答弁でよく分かりました。
本当に住まいは人権の立場がないということなんだなと思いました。
まず、九段住宅の問題ですけれども、適切に対応するということは、減った12戸分はどこかに確保すると。
しっかり12戸分確保するということでよろしいですか。
それが一つと、あと、住宅については、やはり困っている方がたくさんいらっしゃるわけです。
緊急的なものだとか、あとは都民住宅については、それを分かっていて入居しているとか、そういう対応ではなく、やっぱり住み続けたいという願いに応えていくというのが行政の
役割じゃないかと思うんですけれども、いま一度答弁をお願いしたいと思います。
あと、保育士のほうですけれども、会計年度任用職員さん、本当に長年、保育園で働いてこられています。
本当に尽力されております。
一人一人、声を聞いて、ぜひ配慮をお願いしたいと思います。
その辺だけお願いいたします。
以上です。

子ども部長/牛尾議員の再質問にお答えいたします。
会計年度の方なくしては保育園運営が成り立たないというほど、今、貴重な人材となっております。
声をとおっしゃっておりますが、その声、もし千代田で働きたいという声は聞いたりもしておりますので、正規のほうに試験を受けていただいたりですとか、そういうところの配慮をしております。

環境まちづくり部長/牛尾議員の再質問にお答えをいたします。
住宅政策に関して、まず、考え方ございましたけれども、やはり一方で、都心区の高地価の状況ということも踏まえた施策の推進が必要なのではないかというふうに認識をしてございます。
また、九段住宅につきましては、昭和期住宅の機能更新も含めて、全体としての戸数水準を維持していくという考えを、先ほど御答弁を申し上げたところでございます。
また、普遍的な家賃補助については、やはり、これ、区の住宅施策の範疇を超えるものというふうに認識をしておりますので、社会保障の在り方の中で対応すべき、検討すべきものだというふうに考えております。

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