牛尾こうじろう

第2回定例区議会本会議質問

2024.07.31

第2回定例区議会本会議質問でおこなった私の一般質問は以下です。(未定稿)

○7番(牛尾こうじろう議員) 日本共産党の牛尾こうじろうです。一般質問を行います。
初めに、小池都政が区民に何をもたらしたかについてです。
2期8年の小池都政は「稼ぐ東京」「国際金融都市」をキャッチコピーにした東京大改造計画で、東京一極集中、とりわけ都心への一極集中を推し進めてきました。あちらこちらで大規模再開発が進み、超高層ビル、タワーマンションが建ち並び、その結果、環境への負荷の増大や地価の高騰につながり、住民は都心での高い家賃、高い固定資産税に苦しんでいます。財界ファースト都政が住み続けられないまちをつくったのです。(スクリーンを資料画面に切替え)一方、小池都政は、都民の暮らし、経済的弱者には全く無関心です。生活困窮者支援の予算は減額、都営住宅も25年間新規建設はゼロ、高過ぎる国民健康保険料は値上げの連続、児童育成手当、障害者福祉手当も28年間1円も上がっていません。都の世論調査で、これからの暮らし向きについて、「楽になる」は僅か3%、一方「苦しくなる」が45%、こうした数字ももっともであります。
まず、区長は、財界ファースト、暮らしに無関心の8年間の小池都政をどのように評価していますか。所感をお聞かせください。
スクリーンは、国交省国土政策局が企業等の東京一極集中に関する懇談会で提出した資料です。
全国47都道府県のうち、東京都の全世帯平均の可処分所得は全国3位の一方、上位から40%から60%に資する中堅所得世帯の平均可処分所得は12位です。一方、その中堅所得世帯の基礎的な支出の額は全国の中で一番高く、可処分所得から基礎支出を差し引いた額、つまり手元に残る額の平均は全国で42位です。(スクリーンの資料画面を切替え)その支出の大きいものが家賃です。東京都の1平米当たりの民間賃貸住宅の家賃は2,675円で、全国平均の2倍になっています。所得は全国平均より多いが、支出も多いために豊かでない。一方、経済的弱者への支援は貧弱。格差と貧困を広げた小池都政の責任が問われます。
東京都は、住宅への支援、暮らしへの支援を十分に行える豊かな財政力を持ちます。公営住宅の建設や家賃補助など住まいへの支援、国保料引下げなどの暮らしへの支援を、区は都と連携しながら強力に進めるべきではないでしょうか。答弁を求めます。
小池都政の財界・大企業ファースト政治の最たるものが、神宮外苑、日比谷公園、葛西臨海公園など都民共有の財産である都立公園の再開発です。1903年に開設した日比谷公園は日本最初の洋風公園です。都は日比谷公園を9のエリアに区分して、10年間かけて整備する計画に着手しています。第2花壇周辺の工事に続いて、小音楽堂や大噴水を改変する工事に入り、巨大なイベント広場を造る予定です。日比谷公園の再整備と一体で、三井不動産やNTT、帝国ホテルなどの広大な再開発地区である内幸町一丁目街区やミッドタウン日比谷と、日比谷通りをまたぎ日比谷公園とを結ぶ巨大な2本のデッキも建設されますし、さらにその際、公園内の大量の樹木が伐採あるいは移植されます。また、公園の柵が撤去される予定で、生態系が壊される危険も指摘されています。さらに、園内に開園100周年を記念して、寄附とベンチのプレートへのメッセージを募って設置された思い出ベンチは全て撤去されます。こうした大規模な整備計画を、区民はもとより公園の利用者に十分に知らされていません。なぜ都民や利用者が置き去りにされるのでしょうか。
日比谷公園との一体開発を担う三井不動産は、今回の開発を、日比谷公園と一体となった比類なきまちづくりとしています。ここにも財界ファーストの弊害が表れているのではないでしょうか。都市公園は都民共通の財産です。それを民間事業者の利益のために活用することなど許されません。日比谷公園の再開発を、都民や利用者の声を十分に聞き、計画を見直すことを東京都に求めるべきではないでしょうか。答弁を求めます。
次に、小池都知事のカイロ大学卒業の学歴詐称疑惑について、端的に聞きます。今年5月、ある月刊誌に小池都知事の元側近の方の実名での告発記事が掲載されました。それによると、4年前、小池都知事のカイロ大学卒業の学歴詐称の追及が続く中、駐日エジプト大使館のフェイスブックに、小池百合子氏がカイロ大学を卒業したことを証明するとしたカイロ大学長署名入りの声明文が掲載されましたが、その文章はカイロ大学のものではなく、小池氏のブレーンの1人が作成していたこと、その工作に樋󠄀口区長が都議時代に関与していたということが告発されています。
この問題で区長は公の場で何の説明もしておりません。月刊誌に掲載された工作を区長が関与していたというのは事実でしょうか。明確にお答えください。
次に、改定地方自治法について質問します。
改定された地方自治法の内容は、地方自治の根幹を揺るがす重大なものです。大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害により、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合に、政府が必要があるとすれば、自治体に指示を出し、自治体はそれに従わなければなりません。しかも「その他」「これらに類する」など、事態の範囲は極めて曖昧で、判断は全て政府が行います。
政府は、改定の必要性に、災害や感染症を例にし、ダイヤモンド・プリンセス号でコロナ患者が発見され、そのときに対応ができなかったことなどを挙げていますが、それ以降、感染症法、新型コロナ特措法などの個別法で国の指示権が定められました。このように必要が、個別法の改正で十分対処可能です。しかし政府は、具体的にどのような場合を想定して改定が必要なのか説明していません。
そもそも戦前、国に権力が集中し、地方自治体が侵略戦争の一翼を担わされた反省から、憲法では地方自治を明記し、地方自治体に政府から独立した機能を持たせています。地方自治体の事務には、本来国が行うべき事務を自治体に委託する法定受託事務と、住民サービスなど自治体が地域に即した施策を行う自治事務があります。法定受託事務は本来国の仕事なので、国は自治体に指示ができますけれども、今回問題なのは、住民の利益を守る仕事である自治事務についても国が指示できてしまうということです。まさに地方自治の否定です。地方自治体が、国の指示が住民の利益に沿わないと判断した場合、自治体はその指示を拒否できるでしょうか。ご答弁ください。
今、政府は、沖縄県民の民意も地方自治も無視し、名護市辺野古への米軍新基地建設を強行しています。ここに至るまで、国は幾度もこうした強権的なやり方を、国の指示権によって全国でできるようにする、これが政府の真の狙いではないでしょうか。地方自治を否定し、自治体を強制的に国に従わせるような改定地方自治法について、区長はどのような認識をお持ちですか。お答えください。
最後に、学びの支援を求めます。
最初に学費についてです。区は今年の1月から2月にかけて子育てニーズ調査を行いました。設問のうち、充実してほしい子育て支援サービスの回答で一番多い回答は、前回、前々回同様「公園や遊び場」で65.0%です。注目すべきは第2位です。
44.6%の回答があった「児童手当の支給、税金・教育費の軽減等の経済的援助」で、5年前の16.6%から激増しています。前回調査からの5年間、消費税が8%から10%、新型コロナの蔓延、円安による物価上昇などが家計を直撃し、実質賃金は下がり続けています。経済的援助の上昇はこうした状況の反映ではないでしょうか。経済的援助の中でも、学費の軽減を求める声が、親だけでなく子どもたちにも広がっています。
日本財団が行ったこども1万人意識調査では、こども担当大臣にお願いしたいことのトップは教育費の無償化でした。自由記載のコメントでは、12歳から17歳の子どもたちが、大学に行きたい気持ちは同じなのに親の収入で決まるのはおかしいです。日本の学ぶ機会は貧富の差で平等ではない。このように訴えております。
日本の大学学費は、国立で年間約54万円、私立で年間80万円から120万円、それ以外にも高い入学金の負担があります。これほど高い学費を学生に押しつける、負担を強いる国は世界でも日本だけです。お金のあるなしで教育を受ける環境に差別があってはいけません。大学院まで授業料が無料のフランスでは、裕福な家庭の学生だけでなく、全ての階級の学生が平等に高等教育を受けられるようにするという立場で、国が高等教育に多くの公費を支出しています。教育の保障は政治の大きな役割ではないでしょうか。
本来ならば国の責任で学費の軽減を行うべきですが、自治体としても支援の強化が求められます。港区では区独自に年間最大100万円支給の給付型奨学金を実施しています。また、世田谷区では、生活保護世帯への子どもたちにも学びを保障するという立場で、生保世帯の子どもを対象に1人50万円の給付型奨学金を創設しました。千代田区でも子どもたちの学びを保障するために、区独自の給付制奨学金創設を検討してはいかがでしょうか。ご答弁ください。
次に、給食費と教材費についてです。区は区立小中学校、中等教育学校(前期)の学校給食を無償化しました。保護者からは大いに喜ばれています。一方、私立の小中学校に子どもを通わせる保護者にも、給食費の負担やお弁当を作る食材の負担があります。また、教科書は無償ですが、保護者には書道用具や絵の具、学習ドリル、アサガオの栽培キットなど、教材費の負担があります。区は今年度、教材費の一部補助を実施しましたが、品川区では今年度から教材費について全額補助を行っております。
そこで、私立の小中学校に子どもを通わせる区内の保護者に、区立小中学校での給食費無償化相当の給付金を行ってはいかがでしょうか。また、教材費について全額補助を目指すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、通学にかかる交通費への支援を求めます。区内には、麹町、神田一橋の2つの区立中学校と、九段中等教育学校の3つの公立中学校と中等教育学校があります。いずれも、麹町、神保町、九段上と、神田地域、特に神田地域の東側からは徒歩では通える距離ではありません。自転車通学も禁止となっており、通学には公共交通を利用することになります。公共交通は昨年値上げとなっており、経済的に大変な世帯にとっては大きな負担です。
私は幾度か、低所得世帯が利用する就学援助について、交通費も対象にすることを求めてきましたが、交通費が値上がり、物価高で暮らしが大変になる中で、改めて通学にかかる交通費を就学援助の対象に加えることを求めますが、いかがでしょうか。
以上で一般質問を終わります。

○子ども部長(小川賢太郎君) 牛尾議員の学びの支援に関するご質問にお答えいたします。
まず、区独自の給付型の奨学金についてでございますが、大学生の2分の1以上は何らかの奨学金を受けている中で、日本学生支援機構での国の給付型奨学金が始まっていることや、議員ご指摘の他区の取組などについても認識しているところでございます。区独自の給付型奨学金制度については、今後とも国や他の自治体の動向等を注視してまいります。
なお、令和6年度の新規事業として、子どもの学びの機会を保障することを目的とした教育ローン利子補給金制度の構築、実施に向けて取組を進めております。
次に、私立小中学生に対する区内在住の保護者への給食費無償化相当の給付金の実施についてでございます。区民に最も身近な地方公共団体として、国や都と役割分担の上で実施する各種事業により、様々な対象者をカバーすることで、施策全体として公平性を担保していくものだと考えているところでございます。

○教育担当部長(大森幹夫君) 牛尾議員の学びへの支援拡充のご質問のうち、まず、教材費についてですが、これは今年度から総合的な子ども・子育て支援施策として、保護者が負担している教材費の半額程度を区が補助することで、教育環境の充実を図るものです。制度開始の現時点で、さらなる補助は考えておりませんが、事業の拡充については、引き続き総合的な子ども・子育て支援施策の中で議論するものと認識しています。
次に、就学援助制度についてですが、本区の場合、学用品・通学用品購入費や入学準備金、修学旅行費は、23区の中でも比較的に高い額を支給しております。また、その他の費目は全て上限を設けずに実費相当額を支給しております。さらに、物価高騰対策として、区では低所得世帯に対する価格高騰特別支援給付金や、低所得者子育て世帯子ども加算給付金を支給します。こうした状況から、現時点では交通費を就学援助制度の費目に加えることは考えておりませんが、今後も就学援助制度による支給状況や物価高騰に伴う給付の状況などを注視しつつ、総合的な観点から制度を捉えてまいります。

○政策経営部長(村木久人君) 牛尾議員のご質問にお答えいたします。
東京都と千代田区は、互いに協力しながら住民福祉の向上に努めていく関係ですが、都政の評価は都民が行うものであると認識しています。
また、日比谷公園の再開発計画、都営住宅の建設等につきましては、いずれも都が適切に対応するものと認識しています。なお、区営住宅の増設は考えておりません。
そのほか都政に関わる施策につきましては、都が適切に対応するものと認識しておりますが、区といたしましても引き続き福祉の増進に努めてまいります。
学歴の件につきましては、都議会において小池都知事ご本人から、カイロ大学が卒業を正式に認めており、そもそも前提が間違っているとの答弁がなされています。カイロ大学による声明文につきましても、あくまで大学の声明文であり、大学当局の意思に基づいて公表されたものと答弁されていますので、ご了承いただければと思います。

○行政管理担当部長(中田治子君) 牛尾議員の改定地方自治法についてのご質問にお答えいたします。
国の指示への対応、改定地方自治法の取扱いについてご質問を頂きました。地方自治法の一部改正は、コロナ禍等での課題整理を受け、大規模な災害や感染症の蔓延等、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応を目的に国会で審議され、今月成立しました。今後は国から各地方公共団体に、法改正の趣旨や基本的な考え方、運用に関することなどの通知が発出されますので区は通知に基づき適切な対応を進めてまいります。

○7番(牛尾こうじろう議員) 再質問いたします。
これ、小池都知事の問題じゃなくて、区長が行ったことについて聞いているわけで、そのことをお答えいただきたいと思うんですけれども。どうも重大性を認識されていないというふうに思うんですよ。
これはたとえですけれど、我々地方議員は立候補する際に居住要件等があります。だけどこれ、住民票だけがあっただけじゃ駄目なんですよ。ちゃんと住んでいると、なりわいを証明できなければ、実際住んでいるということにならないわけですよね。実際にそのことで当選が無効になった方もいらっしゃいます。これは小池さんも同じじゃないですか、これ。卒業証書を見せられても、まともに大学に通っていなかったと。進級の単位が取れていなかったということがあれば、これは卒業していないふうに、同じでしょ、これ。
この元月刊誌の方、月刊誌で、元ルームメイトが実名で、落ちちゃった、試験に落ちちゃったということを告発しているわけですよね。今回の問題は、小池さんが卒業証書を大学に作ってもらって、それを見せても追及が続くから、エジプト大使館を巻き込んで、自らのブレーンが作成した作文をフェイスブックに掲載してもらって、疑惑の火消しを図ってもらったと。それに区長も当時関わっていたということが赤裸々に具体的に告発されているわけですよ。
これが事実だとするならば、小池さんの問題だけじゃなくて、これは外交問題に発展しかねない重大な問題なんですよ。だから絶対に曖昧にできないという問題なんです。
区民が心配しているから説明してくださいというレベルの問題じゃないんですよ。だから、これが作り話で、こんな話じゃないんだというんであれば、区長の口から、こんなことはありませんとしっかり言っていただきたいというふうに思うんですね。それともこういう場で、ないと言い切ってしまえば、後から問題が起きるのかと。答えられないなら答えられない理由を説明していただきたい。
以上です。

○政策経営部長(村木久人君) ただいまの牛尾議員の都知事の学歴の件につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおりでございますので、ご了承いただければと思います。

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