2月14日は日本共産党西東京市議団の4人で三鷹市にあるおもに小・中学生対象の不登校の子たちの居場所「フリースペースコスモ」と武蔵野市の若者サポート事業のおおむね15歳~18歳くらいまでの不登校などで次へのステップを求める若者の居場所「みらいる」を視察させていただきました。
「フリースペースコスモ」も「みらいる」もどちらもNPO法人文化学習協働ネットワークが事業を行っています。1974年に不登校の子どもの親がつくる学習塾として始まったそうです。
フリースペースコスモでは、小学生の子が数人でゲームで遊んでいたり、中学生くらいの子がみんなでおしゃべりをしていました。後で井の頭公園の動物園に行くと言っていました。みんなで話し合って行動を決めるそうです。
平日の10時から17時まで開所しています。
スタッフの方にお話を伺うと「今は低学年の子や発達障害の子も増えている。今の学校は小学2年生で繰り上がりや繰り下がりを勉強するが、2年生では理解できない子もいる。3年生ではだいたいの子が出来るようになるので3年生で教えればいいのに、2年生で分数まで教えている。出来ない子の構造を作っている。学校だけが子どもの居場所ではない。不登校の理由は様々だが、ありのままの自分をみてもらって安心・安全を感じられることが必要」と仰っていました。
それから吉祥寺に移動して「みらいる」へ。
武蔵野市は以前に吉祥寺で10代の少年が強盗目的に女性を殺害した事件があって、青少年問題協議会が高校生世代の子達に何かしたいと文化学習協働ネットワークに委託して立ち上げたそうです。
高校生世代は実は義務教育からも離れ、学校に行っていないと行政の支援も薄く、かといって社会人としてもまだ未熟であり、実は一番支援が必要な世代とのこと。
西東京市では文化学習協働ネットワークに委託してニート・ひきこもり支援事業として生活困窮世帯の若者の居場所「WE」を行っています。
「WE」との違いをお聞きすると「ニートひきこもり事業というとどうしても就労に支援が傾いてしまう。しかし、高校生世代の子に働くということが選択肢としてすぐに必要なことではない。なんでもいいから働くというとワーキングプアなどにつながりやすい。単に就労だけ一時しのぎで出来ても、人と社会の信頼がなければ簡単に壊れてしまう。学校からドロップアウトした子達はリテラシーもないままインターネットに頼らざるをえなく、身の守り方を知らない。1年くらい通ってようやく実は虐待の問題がわかることもあり、うざいほどの手応えがある人間関係が必要」と仰っていました。
「みらいる」は武蔵野市の事業で無料ですがどこの地域から通っていても無料で西東京市からも数名通っているとのこと。
虐待や家庭の経済的問題も含め、無料というのはすごく大事な要素ですね。
そして高校生年代の子が1つの自治体の中で行動していることは少なく、近隣の自治体が連携して取り組むことの必要性を感じました。
「みらいる」も「フリースペースコスモ」もスタッフの方は教職などの資格を持っている方も持っていない方もいますが、資格が重要ではないとのこと。
行政が行う適応指導教室などは元学校の先生だったり、臨床心理士がいたり、どうしても学校に近くなってしまいますが、臨床心理士に相談しているより、一緒に行動することの方が大事。そして資格より、どれだけ子どもに寄り添えるかが大事と仰っていました。
どちらのスタッフも支援の必要な子どもや若者に対しての熱意や思い、見識がある素晴らしい方々でした。
とても貴重なお話を聞かせていただき、こうした居場所の必要性をますます実感しました。