8月18日はと~ってもこの現状をなんとかしたいと思う講演を聴いてきました。
タイトルは「現状を変えるために必要な3つのこと」という日本の避妊方法についての現状を学ぶものでした。
講師の福田和子さんはICU在学中にスウェーデンに留学し、日本の避妊方法の現状が世界で30年遅れている現状を目の当たりにし、卒論のテーマにして#なんでないのプロジェクトを立ち上げた方です。
皆さん、日本で認可されている避妊方法はいくつあるかわかりますか?
日本ではコンドーム、ピル、IUDという3種類しかなく、私も他に何があるのか知りませんでした。
しかし、今は避妊注射、避妊インプラント、避妊リング、避妊シール、ダイアフラムといったものまであって海外では認可されているそうです。
避妊シールは肩やおなかなど見えないところに貼るだけで1~3週間効き目があり、避妊率は91%だそうです。91%の効果といってもコンドームと同程度の効果です。
日本では1日に460人中絶されていて、妊娠した人の6人に1人が中絶されているというのに、これらの避妊方法は認可されておらず、低用量ピルの認可にも39年もかかったそうです。
バイアグラは6ヶ月という異例の早さで認可されたのに、ピルは39年もかかったのには、ピルを解禁すると女性が性に奔放になる、女性が上位になる、性感染症の危機などという偏見からくるものが背景にあったとのこと。
このことは「日本男性はピルで自分の体を自分で守るという明確な意思を持つ人を求めるより、全てを男性に任せる女性を好む」と世界でも非難されたそうです。
低容量ピルが認可される前は中容量のピルで避妊をする人よりも中絶する人の数の方が多かったという脅威の事実!
日本がこれらの便利で負担の少なく、効果も高い避妊方法が認可されないのは、ピルがまだ普及されているとは言えないことと(言い訳です)、ニーズがないから製薬会社も製造を認可させようとしていないのだとか。
ニーズがないよりも、まずこんな情報さえも知らされていないという現状です。
福田さんは「選択肢があっても、高い、あるいは認可されていないから使えないでは、知らない方が良いくらい残酷なこと」と述べていました。
福田さんが留学したスウェーデンでは若い人には無料で診察してもらえ、無料で避妊具をもらえるそうです。
避妊は若い人だけの問題ではなく、結婚している人だって必要なもので、避妊に失敗したら傷つくのは自分の奥さんや娘や恋人です。男性にも無関係ではありません。
しかも中絶方法も、日本では掻爬方式しかなく、10万~20万と高負担ですが、海外では薬で中絶する方法もあるそうです。
こんな現状なのに、性教育は不充分で、2015年から2016年までに2098人の高校生が妊娠し、自主退学が642人、3分の1が退学をしているとのこと。
この現状を変えるには、正しい情報が知らされること、一人ひとりが声をあげることが大事とのこと。
会場の男性からは「(ピルで何度も承認が見送られてきた際にも会議に女性が1人しかいなかったことを踏まえ)意思決定の場にもっと女性が必要」と発言がありました。
薬の認可は厚生労働省で国の管轄ですが、性教育だったり、相談の場だったり、市でできることをもっと考えていきたいと思いました。