3月13日まで行われていた第四回定例会で、日本共産党練馬区疑団は2020年度予算案に反対しました。
理由は大きく4つ。1つ目は、国保料の大幅値上げに代表されるように区民にさらなる負担を強いる予算であること、2つ目は、すでに暮らしが大変な区民の生活要求に応える予算とはいえないこと、3つ目は、教員の負担減や西武線の立体化、保育園の委託化の問題にみられるように現場の声を無視した予算であること、そして4つ目は、こうした中でも大型公共事業には多額の税金を投入する、アンバランスなお金の使い方を前提としいた予算であることです。
以下、反対討論の原稿を掲載します。
私から日本共産党練馬区議団を代表して、議案第1~4号、2020年度練馬区一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計の4予算に反対の立場から討論を行います。
今回の予算額は、過去最高の2826億7100万円となりました。この中には練馬光が丘病院の移転改築にかかる予算や練馬子ども家庭支援センターの移転拡充などの前進面も含まれています。しかし、いくつかの点で区民にとって看過できない問題があります。
反対理由の第一は区民への負担を増やしているということです。
国民健康保険料は、現時点でも世帯によって年収の1割を超える保険料を強いられています。にもかかわらず、さらに値上げしようとしています。後期高齢者医療保険料も値上げが行われ、とくに年金収入が80万円の人たちは前期比1.53倍の4600円も値上げされる一方で、年金収入が240万円の人は100円程度の値上げにとどまり、低所得者ほど重い負担となっています。まさに弱いものいじめです。
区立施設についても公共施設等総合管理計画で高齢化のためとしながら地域に身近な施設を減らし、敬老館のお風呂も廃止し、サンライフなどの利用の多い施設も機能転換しようとしています。このように区民への負担を増やしているではありませんか。
反対理由の第二は、暮らしが大変な区民を応援する予算としては不十分だということです。
消費税が増税される中で、疲弊している区内事業者への支援の強化が求められていますが、産業経済費は予算全体のわずか0.8%であり、核となる産業振興費はむしろ減らされています。一方で全世代を対象としたプレミアム付き商品券、住宅リフォーム助成制度、公契約条例など区民の懐を温める施策には背を向けています。
暮らしが大変な障がい者を支援する心身障がい者福祉手当や福祉タクシー券などの対象は65歳で線引きし、タクシー券については精神障がい者を除外するなど対象を狭めています。加齢性難聴者に対する補聴器購入補助制度も作らず、高齢者の生活向上の機会を奪っています。このように区民生活を応援する十分な手立てがとられているとはいえません。
反対理由の第三は、現場や区民の声に応えていないことです。
長時間過密労働で、子どもたちに向き合うことできないが教育現場にとって、いま必要なのは教員の増員と負担の軽減です。ところがこうした課題には正面から取り組もうとせず、タイムカードの導入も先送りする一方で、ICT化の名のもとに5年間で20億円もかけて
全小中学生にタブレットを配備しようとしています。優先順位が間違っているのではないでしょうか。
西武新宿線の立体化では、立ち退きを迫られる沿線住民に対して、必要な材料を示さないまま、高架化ありきで推進しています。
保育園の委託化では当事者から強い反対があっても問答無用で推し進め、さらに民営化にまで踏み出そうとしています。このように区民や現場の声に真摯に向き合っているとはとても言えません。
反対理由の第四は、お金の使い方です。
区は、ことあるごとに財政難を叫びますが、一方で石神井公園駅南口西地区再開発のような民間の開発には110億円もの税金を投入し、道路整備と一体で進めようとしています。
財源確保についても、ふるさと納税や消費税の清算基準の見直し、法人住民税の国税化など、国の不当な税制改定で年間130億円もの独自財源が奪われるとしていますが、区民への周知は十分とは言えません。区民にその不当性をより周知するとともに、23区・区民一体となって本気で国に見直しを求めるべきです。
いまの区民生活の苦しさの大本には消費税増税や社会保障の削減などを行ってきた国の悪政があります。それに追従するのではなく、区民の暮らしを守る立場で国に対してしっかりと物を言い、区としても区民生活応援のための施策を抜本的強化することを求め、日本共産党練馬区議団を代表しての討論といたします。
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