島田拓

臨時特別給付金の改善求める

2021.12.30

12月27日に練馬区議会で臨時議会が開催され、臨時特別給付金等を含む補正予算が審議され、全会一致で可決されました。
臨時特別給付金の一つである子ども子育て世帯への給付金については、国の方針が二転三転し、結果、練馬区の場合は、児童手当を受給している世帯について、10万円を5万円ずつ2回にわたって支給することになりました。郵送料や振込手数料など980万円の経費が余計にかかってしまうことになります。
全国の自治体でも同様の事態になっているところもあると考えられ、多額の税金が無駄に浪費されることになります。こうした事態を生み出した岸田政権の責任は重大です。

また、今回の給付金については、DV被害を受けて子どもを連れて避難している世帯の場合、実際に療育を行っている世帯に対して支給するための対応を行うとしています。それ以外で、9月以降に離婚もしくは別居等の事実上のひとり親については、実際に療育を行っている世帯に給付されない可能性があります。これでは給付金の目的を貫徹できないとして、区として対応するよう求めました。
しかし、区は、国の方針に反することや二重に支給することになることなどを取り上げ、対応しないとの回答でした。
これでは、何のための給付金なのでしょうか。やはりしっかりと対応すべきです。

住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金については、単身世帯で年収100万円程度の世帯が対象となります。これに対し、家計給付世帯(昨年の収入に基づいて計算すると住民税が課税される世帯)の場合、今年の月額の収入が非課税世帯と同等でなければ、給付を受けることができません。これでは生活困窮されている方の多くが対象にならないことから、国に対して対象を拡大することや区として独自に支援することを求めました。
しかし、ここでも国の方針通りに実施するとの冷たい答弁でした。

日本共産党練馬区議団からは、保育士等処遇改善臨時特例交付金についても改善を求めました。
そもそも今回の交付金は、全産業平均で保育士の給与が明らかに少ないことに起因しています。今回、区は区内の保育士等の実働人数で補正予算を計上しましたが、国は法定での人数しか認めないとしています。区として不足分を独自に補填するのかと質問しましたが、詳細が示されておらず、仮定のお話には答弁できないというものでした。
しかもこの交付金は、保育士等に直接支給されるものではなく、事業者の判断で金額を調整されることになります。ひとり一人に9000円が行き渡ることができるのかは不透明です。区は事業者に対し賃金改善の計画書の提出を求めるとしていますが、手続が現場に対してさらなる負担を強いることになるのではないでしょうか。
対象となるすべての保育士の実質的な賃金引き上げを保証するとともに、処遇の抜本的な引上げ、負担の軽減は待ったなしです。

なお今回の給付金等については、児童手当受給者以外は、2月以降に申請および支給されることになります。
詳しくはこちら↓
https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/kansensho/2019-nCoV/rinjitokubetukyuhu.html

最近のNEWS

  • 2024.04.30

    防災井戸から基準値以上のPFASが検出される

    都内では、発がん性などがあるPFAS(有機フッ素化合物の総称)による汚染の状況が問題となっていて、練馬区としても独自に防災井戸における汚染調査が行いました。これは私たちも求めてきたことであり、一定評価できるものです。 ◆ ...

    もっと詳しく ??

  • 2024.03.28

    2024年度に千人規模の職員が選考試験を受けなければならないという矛盾

    これまで区の非常勤・臨時職員には期末手当などが支給されていませんでしたが、会計年度任用職員という制度が始まって、手当が支給されるようになりました。しかし、同時に導入されたのが、更新上限の設定です。 会計年度任用職員は1年 ...

    もっと詳しく ??

  • 2024.03.26

    国民健康保険料の1.3万円の値上げ許せない

    区は、国民健康保険料の値上げを決定。値上げ額は平均で驚愕の1.3万円です。これは物価高で大変な区民生活をさらに追い込むものです。とくに厳しいのは家族の多い世帯です。 例えば、年収200万円で40歳の家族3人世帯で保険料は ...

    もっと詳しく ??

  • 2024.03.23

    潤沢な予算を区民の暮らしのために

    練馬区の2024年度予算は3230億円と前年度よりも240億円増で過去最大です。これは予算の原資となる法人住民税などが増えていることが大きな要因です。 区は、新たな借金や基金の取り崩しが200億円以上必要だと、財政難を強 ...

    もっと詳しく ??

  • 2023.04.09

    少子化を改善するための計画に

    練馬区の子ども子育て支援事業計画の中間見直しが行われました。 今回、就学前児童人口が下振れしたことを理由に、保育や子育て支援事業の定員数が下方修正(減少)されました。これに伴い、今年度建設される認可保育園は、谷原5丁目保 ...

    もっと詳しく ??