7月28日の都市整備委員会において、桜台東部地区重点地区まちづくり計画の策定についての報告が行われ、今までの「計画(案)」を今後都市計画審議会からの意見を聴取したうえで正式に「計画」として決定する方向性が示されました。
◆道路の拡幅が柱の一つ
この計画は、桜台の1、2丁目と、3〜4丁目の一部にまたがる地域において、道路が狭く、老朽化した住宅が密集している、いわゆる密集市街地であり、消防活動困難区域が多いとして、区が防災性を向上させるために、既存道の拡幅を柱とする対策を行う整備促進事業を実施することを前提としています。
◆反対の意見が多いと区も認める
しかし、こうした計画にとくに拡幅予定の道路沿道住民から強い反対の声が上がっています。これまで行われた説明会や公聴会、また区に寄せられた意見では反対が多数を占めました。区も質疑の中で、反対の意見が多いと認めました。にもかかわらず、今回の計画では一切修正しない考えです。
◆ 即効性のある防災対策を
これまで江古田駅周辺や北町など密集市街地整備促進事業が行われ、道路の拡幅などが行われてきました。しかし。約30年の期間を必要としており、対策としてはあまりに遅すぎます。
災害はいつ起きてもおかしくなく、建物の耐震化や通電火災を防ぐ感震ブレーカーの設置、ブロック塀の撤去など、今すぐできる対策の強化が不可欠です。しかし、これらの対策について、現行の制度を活用するにとどまっています。
区はこれまで行ったアンケートで、まちづくり計画のたたき台について賛成している住民が多いとして、この計画を正当化していますが、回答の回収率は、13.7%にとどまっていて、住民の総意としてとらえられるのか疑問が残ります。
◆当事者を無視した計画は白紙に
そもそもこの計画の骨格を策定したまちづくり協議会には拡幅予定の沿道住民は一人も含まれていません。
区は、長期的スパンで徐々に街並みを変えていくのであって、今からやらなければらならない、実施したところでは喜ばれているとしていますが、それも住民の合意があってこそです。
当事者を無視した計画ではなく、住民と課題を共有し、この地域の防災力向上のために何が必要か、一緒になって考え、作っていくことが必要であり、拙速に計画を策定することは許せません。計画はいったん立ち止まり、一から計画を見直すべきです。