この間、稲荷山公園の整備計画の見直しを練馬区に求めてきました。
区は、整備の目的として、計画区域の市街化が進み、このままではカタクリなどの貴重な動植物を守れないことや、武蔵野の面影を復元するためと説明しています。そのために大泉町・土支田地域の約400世帯もの人たちを立ち退かせて、10ヘクタールの公園を整備するというのです。
計画区域内は、既に清水山の森として一部整備されています。その規模は約1ヘクタール、買収にかかった費用は約22億円です。これを単純に稲荷山公園全体に当てはめてみると、土地の買収費だけで約200億円。それ以外に建物の補償費や公園を整備するための経費を加えると200億円を大きく超える予算が必要だということになります。
カタクリが練馬で初めて見つかったのは1975年。その時点でかなり市街化が進んでいました。当初、カタクリが自生する範囲は限定的だったようです。しかし、住民の人たちが環境を整備し、種を集め、カタクリを増やしていきました。
区は、市街化がカタクリなどの減少の原因と説明していますが、実際には市街化していく中でもカタクリが増えいったということになります。しかも、今回の計画には、カタクリを守ってきた人たちも強く反対しています。これで本当に自然を守ることができるのでしょうか。
計画では、さらに公園内にカフェやレストランなどの設置も検討されていて、自然保護に何の関係のない施設のために立ち退かなければいけないのかと住民の中に怒りが広がっています。そうした計画を多額の税金を投入し、反対する住民の声を聞かず進めることが許されるのでしょうか。
私たちは、稲荷山公園の整備計画について、住民の声をもとに抜本的に見直すよう求めていきます。