島田拓

練馬光が丘病院の建替え計画は区民の理解のもとに

2015.12.14

12月11日(金)に第4回定例会が終わりました。わずか2週間余りの議会でしたが、今までよりも激しく動いた議会となりました。その中身にはおいおい様々な形でお伝えするとして、今回は私が一般質問で取り上げた練馬光が丘病院の建替え(改築)についての部分を掲載します。今回の建替えで、区はベッド数を増やし、医療機能の充実を検討していますが、それでも区民にしっかり説明し、理解を得て進めることが重要です。答弁で区は建替えの基本構想策定前に一般区民むけの説明会を行うことについて明言を避けました。なお区は提言をもとに2月頃には基本構想をまとめる予定です。

以下質問部分です。

次に練馬光が丘病院についてお聞きします。

現在、光が丘病院が担っている医療は、日大から引き継いだ際の混乱から脱し、患者数が増加傾向にあります。2014年度の実績をみると、日大の運営していた2010年度との比較で救急車搬送数やICU・CCU、人工透析などの数が日大を上回っていますが、入院患者延数、外来患者延数、手術室件数および分娩数は少なく、小児については半分以下に止まっています。

こうした中で区は、光が丘病院の改築にかかる基本構想策定懇談会で検討を重ね、提言(案)をまとめました。そこでは、「超」高齢社会が到来する中で、新病院に求められる医療機能として、これまで提供してきた機能は堅持しつつ、区内に不足している回復期リハビリや地域包括ケア病床を導入し、高齢期に多い循環器系疾患や整形外科などの診療科を充実させるべきと強調しています。光が丘病院の役割を大きく変えようしているのでしょうか。しかし、不足しているのは高齢期の医療だけではないのは、急性期の順天堂練馬病院の稼働率が97%と高い状況であることからも明らかです。

地域医療振興協会と区が取り交わした基本協定書には光が丘病院は地域の中核的な役割を果たす病院と位置付けられ、救急、小児、周産期、災害の4つの重点医療を行うこと、高度で専門的および総合的医療機能を持つこととされています。こうした医療機能の現状をまず検証し、充実させることが必要ではないでしょうか。答弁を求めます。

区は、さらに区民・事業者・行政の協働による練馬区独自のモデルとなる様々な意見を集約し、提言をまとめたとしています。しかし、集約したのは一部の区民に限られ、多くの区民は説明会さえ行われず、検討内容さえ知らされていません。どのような医療機能が必要なのか、日照権や騒音など住環境への配慮はどうするのか、当事者の声をまともに聞かないまま基本構想を策定することは許されません。区は、基本構想(素案)の策定時に、パブリックコメントを実施し、要望があれば区が出向いて説明したいとしていますが、こうした消極的な対応ではなく、一般区民・住民・利用者を広く対象とした説明会を早急に複数回開くべきです。お答えください。

光が丘団地には建築基準法上の一団地認定の課題があり、新たな建物の建設にあたっては関係権利者の合意が必要ですが、実際に影響を受けるのはさらに広い人たちです。ところが区は直接的な権利者や新病院建設地に隣接する第三アパート自治会にしか、一団地認定について説明していません。今後の光が丘のまちづくりを展望して、都営住宅や賃貸入居者、またその他の光が丘住民に対して、丁寧な説明をすべきではありませんか。答弁を求めます。

この項の最後は差額ベッドについてです。現在光が丘病院では差額ベッドはわずか数%に抑えられています。順天堂練馬病院は4割程度となっていますが、光が丘病院は基本協定書に明記されている通り区内の中核的な病院であり、多くの区民がより利用しやすいよう差額ベッドの割合を現行通り低く抑えるべきです。お答えください。

【新山健康部長】

次に、練馬光が丘病院についてです。

練馬光が丘病院は、日本大学が赤字を理由に一方的に撤退したあと、区の医療空白をなくすために、公益社団法人地域医療振興協会が運営を引き継いだ病院であります。

引き継ぎを行う過程においては、病院が無くなってもよいような動きが一部にあり、悪意に満ちた風評の下、患者の引継ぎ用のカルテも提供されないというマイナスからの出発となりました。にもかかわらず、わずか3年余りで区の中核的病院としての役割を果たすよう努力してこられた練馬光が丘病院お皆さまには、深く敬意を表したいと思います。

練馬光が丘病院は、区との基本協定に基づき、救急・小児をはじめとする4つの重点医療を担っております。平成24年4月に開院以来、救急患者数や小児の入院・外来患者数等、4つの重点医療に係る実績は、年々増加しています。特に、小児救急については、区内で最も多くの患者を練馬光が丘病院が受け入れています。その他の医療機能についても、協定に沿って着実に実施しており、あらためて検証するまでもなく、区の中核的病院としての役割を果たしております。

また、現在改築を検討している新病院においては、4つの重点医療をはじめ、高齢化に伴って求められる急性期を脱した後の医療など、さらなる機能の拡充をめざしています。練馬光が丘病院改築に係る基本構想策定懇談会からも、同様の趣旨の提言をいただいております。

つぎに、区民への説明会等についてです。

基本構想策定懇談会の内容は、区議会に報告のうえ、各回の会議資料や会議録を、全て区ホームページで公開しております。また、基本構想の策定にあたっては、パブリックコメントを実施し、広く区民の皆さまのご意見を反映させてまいります。

今後も、病院の建設に際しては、説明会を開催するとともに、引き続き区議会ならびに区民の皆さまから、広くご意見を伺ってまいります。

つぎに、建築基準法上の一団地認定についてです。

区はこれまで、区域内における関係権利者の皆さまに対し、説明を重ねてまいりました。今後も引き続き理解が得られるよう、丁寧な説明を心掛けてまいります。

つぎに、特別療養環境室料、いわゆる差額ベッド代についてであります。

新たな病院における差額ベッド代については、区民の皆さまにご利用いただきやすくする一方で、病院の経営が持続できるようにすることも考慮する必要があります。今後、地域医療振興協会と協力してまいります。私から以上であります。

公式サイトhttp://www.shimada-taku.com/もご覧ください

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