島田拓

潤沢な予算を区民の暮らしのために

2024.03.23

練馬区の2024年度予算は3230億円と前年度よりも240億円増で過去最大です。これは予算の原資となる法人住民税などが増えていることが大きな要因です。

区は、新たな借金や基金の取り崩しが200億円以上必要だと、財政難を強調していますが、借金は昨年度と同程度。基金はこれまでの状況をみると年度末に予算を余らせ、取り崩し額を減らし、むしろ積み立ててきました。

実際、2023年度最終補正予算では、施設整備基金を46億円新たに積み立てる一方で、借金は当初予算よりも28億円減額しています。このままいけば、2023年度は前年度よりも基金総額が増える見込みです。

今回の予算でとくに問題なのは大江戸線延伸推進基金が30億円も計上されたことです。これまでは少しずつ積み立て、50億円としてきましたが、これを一気に80億円まで積み増すというのです。

大江戸線延伸は必要と考えていますが、本来は都の事業であり、区が資金を出す必要はありません。何に使うかも明らかにしておらず、そうした基金を80億円も積み立てる必要があるのか、はなはだ疑問です。しかもどこまで積み立てるのかも明らかにしていません。

区はこれまで財政難を強調し、区立施設の統廃合などを正当化してきました。ところが、区立施設の維持更新に必要な基金については、当初予算ではほとんど計上しない一方で、大江戸線延伸基金は特別扱い。これはまさにダブルスタンダードではないでしょうか。

こうした開発優先のやり方を見直し、30億円もある基金を区立施設の維持更新や物価高で大変な区民生活のためにもっと活用すべきです。

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