島田拓

2024年度に千人規模の職員が選考試験を受けなければならないという矛盾

2024.03.28

これまで区の非常勤・臨時職員には期末手当などが支給されていませんでしたが、会計年度任用職員という制度が始まって、手当が支給されるようになりました。しかし、同時に導入されたのが、更新上限の設定です。

会計年度任用職員は1年ごとの契約ですが、制度が始まる前は、そのまま契約更新を繰り返すことができました。ですから勤続年数が20年を超えている会計年度職員もいます。しかし、区が独自に更新上限を5年と定めたために、6年目以降も継続して働きつづけるには選考試験を受けなければならなくなりました。

これは単なる試験ではなく、区として新たに職員を募集し、新しく応募してきた人たちと現職が競い合うということを意味します。ちょうど2024年度はこの更新上限の年となり、2025年度以降も働きつづけるために多数の会計年度職員が試験を受けることになるのです。

現在、会計年度職員全体の数は約2600人。選考試験は千人規模となる見込みです。ただでさえ仕事が忙しい中で選考試験を行うことは、会計年度職員にとっても正規職員にとっても大きな負担ではないでしょうか。

しかも問題なのは、育休や産休中の会計年度職員も試験を受けなければならないことです。もし試験を放棄すれば、次の年から職を失ってしまうからです。これで公正な選考ができるのでしょうか。結局働くことをあきらめたり、子どもをつくることを躊躇してしまう職員も生まれてしまうのではないか。

上限規定という誰も得をしない制度は直ちに撤廃するとともに、非正雇用は臨時的・一時的な職に限定し、正規職員として雇用する制度を作るべきです。

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