島田拓

防災井戸から基準値以上のPFASが検出される

2024.04.30

都内では、発がん性などがあるPFAS(有機フッ素化合物の総称)による汚染の状況が問題となっていて、練馬区としても独自に防災井戸における汚染調査が行いました。これは私たちも求めてきたことであり、一定評価できるものです。

◆区内2か所で基準値を超える値

それによると22か所の防災井戸のうち検査ができた21か所中2か所でPFASの一種であるPFOSおよびPFOAが国の暫定基準値である50ナノグラムを超える井戸が確認されました。残り1か所についても今年度中に調査するとのことです。

区は、基準値を超えた井戸については、ろ過装置を4台購入し、災害時に設置するとしていて、それ以外では飲料水としての利用をやめるよう指導していますが、数か所の井戸については日常的に飲料水といて利用されています。

◆場所等を公表せず

区は、調査について、今後年1回実施するとともに、井戸所有者に調査結果を公表しないことを条件に調査を行ったとして、基準値を超えた井戸の場所や基準値以下だった井戸の数値は明らかにしていません。これで区民の命と健康を守ることができるでしょうか。

そもそも50ナノグラムというのは暫定基準で、アメリカの環境保護局の基準値4ナノグラムと比べるとずっと緩い基準です。

◆更なる調査と血液検査などの実施を

質疑の中では、区は、汚染源は分からないとしています。私たちは、汚染状況を把握する意味でも飲料水としては利用されていない学校防災井戸とミニ防災井戸における汚染状況を調査すること、防災井戸を利用していた区民については血液検査を行うこと、防災井戸を所管する危機管理だけでなく、環境課や都とも連携して対応することを求めました。

なお調査ができなかった防災井戸についてはポンプが故障していたと言うことで、災害時に使用できない状況となっていました。これ自体大きな問題で、改善が必要です。

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