島田拓

少子化を改善するための計画に

2023.04.09

練馬区の子ども子育て支援事業計画の中間見直しが行われました。

今回、就学前児童人口が下振れしたことを理由に、保育や子育て支援事業の定員数が下方修正(減少)されました。これに伴い、今年度建設される認可保育園は、谷原5丁目保育園1園のみにとどまります。

新しい保育園の定員は101名拡大ですが、隣接する区立谷原保育園が廃園されると、純粋に増えるのはわずか6名になってしまいます。また、新しい保育園では、新たに0歳児保育が開始され、1歳児については定員が3名増えますが、いまだ待機児の多い2歳児クラスは逆に3名減ってしまいます。これで待機児をゼロを達成できるでしょうか。

これまで2年間にわたって、区は待機児ゼロを達成したと喧伝してきましたが、昨年の4月時点で認可保育園を希望しながら入れなかった子どもの数は404人。いずれの保育施設も利用しなかった子どもの数は284名となっています。

区が行ったニーズ調査では、「平日の定期的な教育・保育の事業を利用していない理由は何か」との問いに、22%の人が「利用したいが、教育・保育の事業に空きがない」と回答しています。保育施設の定員が十分とは言えないことを示しています。区の言う待機児ゼロは、実態と大きく乖離していると言わなければなりません。実際、最近ご相談を受けたお子さんも認可保育園を希望しながら入ることができませんでした。

一方で、4~5歳児においては、多くの園で余裕が生まれています。しかし、そもそも保育基準が低すぎる点に注意しなければなりません。スウェーデンでは保育士一人当たり6名の子どもを見ることになっていますが、日本の場合、その5倍の30名の子どもを見なければならないという厳しいものです。こうした基準の見直しも求められています。

これまでの区の取り組みを見ると、本気で少子化を打開しようという姿勢ではなく、むしろそれを受け入れているように見えます。少子化を改善すると言うのなら、保育基準を引上げ、保育士の処遇を改善し、安心して預けられる認可保育園をもっと増やすべきです。区立谷原保育園の廃園などもってのほかです。

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