不穏なことに、国営の軍需工場(工廠)の導入が検討されているようです。
文京区後楽1丁目と春日1丁目一帯(旧水戸徳川上屋敷跡地)には明治3(1870)年から昭和10(1935)年まで軍需工場「東京砲兵工廠」がありました。近代日本の軍事の一端を担っており 、地域の基幹産業でした。当時、周辺(後楽2丁目、水道1~2丁目、関口1丁目)に形成された工場労働者街や商店街は今に引き継がれています。江戸川橋の地蔵通り商店街がそうです。
「東京砲兵工廠」遺構は、後楽・春日地域に点在しているのですが、開発や風化による消滅が危惧されています。注目すべきは、礫川公園内の「旧東京砲兵工廠射撃場跡 」。最も原形を留めており、実物を見て歴史を認識できます。当時の建築技術を伝え、関東大震災の教訓を刻んでいるなど歴史・文化的価値も高い。現在は立入禁止ですが、これを保全・公開し、平和事業・教育・観光へ利活用してはどうでしょうか? わたしたちの街を再び軍都にしない!平和希求の拠点になり得る場所だと確信しています。
戦跡を守り継ぎ、平和の地域遺産へ。文京区も「東京砲兵工廠」の概略や位置を把握して分布図等の作成を行う、案内板を設置するなどの調査と情報発信を! 地域資源の有形・無形の価値を共有し、街づくりに活かしてはどうでしょうか。
ともあれ、このまま大軍拡が進んでしまったら、私たちの街の光景も変わってしまうかもしれません。土地の記憶は私たちに何を教えてくれるのでしょうか?
目白台・坂本尚子

