保育委託費弾力運用
本社経費に6億円・他自治体の保育園に2億円
区が支出した私立認可保育園で保育を行うための経費が、区内51箇所の保育所で使わず貯め込まれ、その総額が令和3年度末までに16億6千万円に達しており、このうち約10億円(9億9748万円)を保育事業者の本社経費や他自治体での保育園整備費や運営費に「流用」する「弾力運用」協議を行っていること分かりました。
令和4年度中に保育事業者から提出された「弾力運用」の協議書を党区議団が情報公開請求で入手したところ、本社経費に少なくとも6億1433万円、杉並区と中央区での保育園整備に1億8313万円、国立市・中野区・杉並区にある3園の運営費に3562万円を「流用」させる協議を行っていました。
杉並での新設に1億円超
中でも、株式会社こどもの森は、本駒込プチ・クレイシュから1億290万円、まなびの森保育園茗荷谷から7467万円を杉並で令和5年4月に新設された「まなびの森保育園本天沼」の設備整備費に充てるとして「協議」書提出をしていました。
金子区議が党杉並区議団を通じ「まなびの森保育園本天沼」の開設経費を確かめると、杉並区が補助したのは施設整備費の8分の7で設計・工事・備品に1億1168万円、建物賃借料に5百41万円と判明。推計で保育所の新設経費は1億3千万円程度ですが、それを4700万円も上回る1億7757万円を文京区の保育所経費から「まなびの森保育園本天沼」に「弾力運用」するのはなぜでしょうか。
都型学童の赤字補填か?
また、区内に認可園を開設するベネッセは令和3年度中に、ベネッセ千石園から1631万円を「都型学童ベネッセ学童クラブ本郷」の運営費に充てる「弾力運用」の協議を行っています。金子区議がベネッセ学童本郷の収支決算確認すると、開設初年の令和3年度は1618万円の赤字だったことが判明。保育経費で学童保育の赤字補填をするというのでしょうか。
党区議団は「弾力運用」をやめるよう求めていますが区長は「適切な保育を行う」ことを条件に国が認めていると答弁を繰り返すだけで、調査すらしません。文京区の予算の使われ方に何も言わせない「弾力運用」は地方自治や地方議会を無視するものであり徹底解明しやめさせることが必要です。