住み続けられる文京区のために―大規模改修時の療養環境確保のため最大限の支援を
特養ホーム・白山の郷を運営する社会福祉法人福音会は、特養と向丘・白山・本郷の3か所の在宅サービスセンター、地域包括支援センター富坂の運営から2025年3月末で撤退すると決定し、区は10月月末に了承したと11月の厚生委員会に報告しました。
撤退申出の理由は?
福音会は10月11日付の区長宛の文書で、区が今後実施する白山の郷の大規模改修の際①入所者が減り職員給与支払いが困難②改修で減収が発生するが区から資金支援が見込めない③板橋区の代替施設への一時移転は負担が大きい④一時移転する際の協力医や給食業者委託等、課題山積⑤区有施設の利用は困難と区が判断⑥(既存の)施設は備品更新や小破修繕含め負担増大で入居者に支障を来たし、更に悪化が想定されると6点に渡り理由を述べ、加えて文京区で同法人が運営する施設で「すでに資金ショート」しているとも述べています。
区は法人の申出を承認
区は厚生委員会で「今後、安定的な運営が期待できないと判断し」「今後の対応方策を早急に検討していく」と報告しました。
文京だけ収支悪化?
福音会は利用者向けの文書説明でも文京区の施設では「事業悪化」し「事業終了」と説明しています。しかし、町田や練馬で福音会が運営する介護施設は「事業継続」しています。文京区で撤退に至る理由は、今後の大規模改修の影響としか言いようがありません。大規模改修中に入所者の良好な療養・住環境を確保することは区の役割でもあります。区がそのための財政支援や減収補填をせず、撤退に至るのだとしたら区の対応が冷たいということになります。更なる解明が必要です。
高齢者が介護保険サービスを利用して生活する公的施設が特別養護老人ホームです。入所・利用者に負担のかかる事業者の交代は区の対応いかんで回避できるはずです。
※白山の郷など4か所の特養の建物の所有は区で、事業者に無償で貸付けています。以前は、区立特養でしたが法令違反で特養運営ができなくなり、事業者に運営を移行した経緯があります。