文京区の財政状況
純資産は837億円・19%の増加
福祉・教育・暮らし向上に活用を
区の財政状況を過去から蓄積された「貯めこみ」の面から概観するため、区が公表している貸借対照表の10年比較(下図)をしました。
この表で資産には金融資産、不動産はじめとする固定資産、貸付金などの権利があります。負債の主なものは区債や退職手当引当金で、純資産合計とは資産から負債を引き算した差額で区民が納めた税金や負担額が資金の出し手です。
膨らむ区の資産、純資産
純資産は2023年度には10年前と比べ837億円、19%増える一方、負債の資産合計に対する比率は0.2ポイント圧縮されています。この10年で区民や企業が納税して、純資産を増やしてきたわけで、文京区に蓄積された財政力はどんどん大きくなっているのです。
金融資産が一般財源に匹敵
また、純資産には金融資産が含まれていて現金・預金・基金等で726億円に達しています。この額は、2023年度の1年でに区に入ってきた一般財源(区民税など使途が特定されていない財源)にほぼ匹敵します。一般財源と同程度の金融資産が「蓄積」されているのですから、財政状況はまさに潤沢と言えます。
ところが区は来年度の予算編成方針で、財政状況について「楽観できない」と言いますが、こうした認識は妥当ではありません。
文京区の財政力の推移