子どもの安全守れるのか―教育委員会は慎重な対応を
中学7校が修学旅行先に大阪万博
区立中10校中7校で来年度の修学旅行の行先として、大阪万博(開催は来年4月13日~10月13日)が予定されていることが20日の区議会文教委員会で判明しました。
万博会場となる夢洲(ゆめしま)はゴミの最終処分場です。団体バスの乗降場が設置される1区は、下水汚泥など有害な廃棄物が埋め立てられ、土中で発生する大量のメタンガスを常時83本のガス抜き管で排出しています。
ここで今年3月にガス爆発事故が発生し、メイン会場の2区・3区を通る地下鉄工事でもメタンガスが検知されています。夢洲へのアクセスはトンネルと橋の二つで、大規模災害が起きた際の避難計画は未だに無く、6月一部明らかになった「防災実施計画」は津波や強風で「孤立が想定される15万人を船舶等で近隣の舞洲や咲州に避難させる」としますが、現実性に疑問の声が挙がっています。
区側は「安心安全が一番で、学校長の下で判断される」との認識を示しましたが、板倉区議は文部省が1968年に発した教育委員会への通達で、遠足・修学旅行について「特に事故の絶無が期せられる」とされていることを示し、区の責任でメタンガス爆発等の危険ある万博を修学旅行の行程から外すことが必要と指摘。区側は「旅行会社と連携し安全を担保する」と答弁するに留まりました。
万博会場は災害リスクへの対応は十分とは言えず、会場の安全性に対する懸念や不安が解消されない中、区は修学旅行先として推奨できないと明言すべきです。