問われる説明責任
区立保育園の給食調理委託は止め直営に
事業者選定中に3回目の食中毒発生報告か
区立千石西保育園の給食を調理するレパストが、昨年の2月、5月、11月下旬に都内の社員食堂や介護施設で食中毒を計3回発生させ、行政処分を受けていたことが、新年度からの調理業者の更新にむけ、昨年9月に開始した業者選定プロポーザルの2次審査(12月)において、保護者委員の質問で発覚しました。
金子区議が選定委員会の会議記録を情報公開で入手し確認したところ、区側は区立保育園の調理を受託する事業者が、区外で食中毒を起こした「情報を得ている」とし、「年度によるが、業者からの発生報告は時折ある」と説明していることが分かりました。
この説明通りとすると、区は2月と5月にレパストから食中毒の発生報告を受け、9月の事業者選定開始時にレパストから応募書類を受領した後、選定中の11月下旬にはレパストから3回目の食中毒発生報告を受けていたことになります。
業者選定プロポーザルは公平な選定となるよう、応募事業者名を伏せて行われますが今回、唯一応募したレパストが、応募書類で区が求めた食中毒の「過去の発生状況」の欄に食中毒発生事案を記載していないことについて、なぜ区は2次審査で保護者代表が質問するまで沈黙したままだったのか、区の説明責任が問われる事態が浮き彫りになっています。
金子区議は2016年9月の本会議で、保育園での調理民間委託が人件費削減や自社食材の搬入で企業収益を確保する構造になっていることを指摘し直営維持を求めましたが、この指摘を区側は重く受け止め、調理委託を検証し、直営に戻すべきです。