2024年度決算概要
シビックよりも暮らし・地域経済支援を最優先に
実質収支=黒字は80億円(前年と比べ144%に)
昨年度(2024年度)の文京区の収支結果である決算概要が先月公表され、実質収支額(黒字額)は80億円、実質収支比率は10.8%との説明がありました。
実質収支比率とは実質収支(黒字)の標準財政規模に対する比率です。標準財政規模は自治体の歳入のうち使途が限定されていない「一般財源」の規模を示す指標で大きいほどその自治体は自主的な事業を行う財政力があると言われます。区の説明した実質収支比率10.8%を元に計算すると昨年度の標準財政規模は約742億円で、このうち80億円が余る状態と言えます。
新型コロナ禍に匹敵?
過去10年間で実質収支比率が10%を超えたのは、コロナ禍で様々な事業が中止になり事業費が余った2020・21年度に13%、10・5%に達して以来です。実質収支比率は一般に3~5%が適正と言われます。昨年度は適正値の2倍超の“黒字”で物価高騰や猛暑、国の社会保障削減から区民の暮らしと地域経済を守る財源は十分あるのです。
しかし、6月議会で党区議団が暮らしと地域経済を守る新たな支援策を求めても、区長は区民生活や地域経済へ「大きな影響を及ぼしている」と認識を示しつつ、新たな支援は行わないとの答弁でした。
区議会フロア改修21億円?
こうした中、区はシビック庁舎の大規模改修を粛々と進め、議会フロア改修(22~24階と21階の仮控室設置)に約21億円の概算工事費を見込むことが党区議団の情報公開請求で判明。
議会フロアは老朽化で使用できないわけではありません。職員や業務増大する福祉部や保健衛生部の改修を優先すべきで、シビック改修より国保・介護・後期医療保険料の値下げや小中学校での教材費無償、地元商店への固定費支援等、暮らし支援拡充を優先すべきです。

