私立園運営費年間94億円(2021年度決算)、子どもの豊かな成長・発達にとって大問題!
保育運営費の8割人件費なのに本部が相当額を徴収
文京の子どもに全額使うべき
“弾力運用って”…?
私立認可保育所での保育に必要な運営費は、全額が区から私立保育園に支払われています。株式会社立の認可保育園で保育運営費を使わず余らせ貯め、文京区の保育に使わず「流用」するのが「保育委託費の弾力運用」です。国が株式会社の保育への参入を認めた2000年に始まりました。
保育会社の本部に5億円超の「流用」、介護など保育以外の事業にも
日本共産党文京区議団の調査で2021年度は、81園中48園が「弾力運用」で8億2212万円が「流用」 (党区議団が調査した過去7年で最高)。
このうち、5億3372万円は保育会社の本部経費に充てていることが判明し、学童保育や介護等、他事業や区外にも「流用」する事例がありました。
区の支出なのに本部経費の検証できず
株式会社立の園の「運営費」の内、本部経費として使えるのは園の運営に関する経費に限られます。企業は人件費や管理費など、本部経費の内訳を区に提出していますが、人件費などの実態がどうなっているのか区は確認できません。
日本共産党は「流用」中止・検証を要求
保育「運営費」の8割が人件費です。「流用」を止めなければ保育の質が低下する懸念は尽きません。
党区議団は繰り返し、弾力運用をやめるよう求めていますが区側は「国の制度なので…」として「弾力運用」と称する「流用」が続けられています。保育士の待遇改善と子どもの成長・発達に関わる大問題です。党区議団は引き続き調査と論戦を進めていきます。
保育園で働く皆さんや、関係者の皆さん、情報をぜひお寄せください。
国の保育士配置基準は70年前のまま
保育内容の充実や環境の変化に対応した配置となっておらず、党区議団は配置基準の見直しを国に要求するよう指摘すると共に、区独自に配置基準を拡充することも求めています。より良い保育実現のため保育士を増員することが必要です。
■本部経費が2000万円を超えた保育園(2021年度、カッコ内は収入に占める割合)
こころおちゃのみず第一保育園 3725万円(24%)
さくらさくみらい小日向 2776万円(16%)
キッズパートナー文京本駒込 2389万円(15%)
テンダーラビング保育園関口 2334万円( 9%)
こころおちゃのみず第一保育園 3725万円(24%)
グローバルキッズ後楽2丁目園 2239万円(10%)
さくらさくみらい水道 2221万円(15%)
ベネッセ千石保育園 2002万円(13%)
(出典)しんぶん赤旗日刊紙2022.9.26より