6月8日、「ヘイトをさせない!許さない!練馬の集い」が開かれました。
3月21日に練馬区役所の場所を使い、ヘイトスピーチを繰り返している団体の代表を呼んでの講演会が開かれ、これに抗議する市民が集まり、大きな混乱が生じました。
各地で繰り返されているヘイトスピーチが練馬にも持ち込まれています。
これまでヘイト団体を取材し,著書「ネットと愛国」などがある安田浩一さんが講演しました。
ヘイトスピーチは、肌の色、国籍、民族など変えようのない属性を攻撃するもので、共通の土俵がなくケンカにならず加害と被害は一方的であること、多数派の少数派に向けた差別であるということです。
講演ではヘイトの現場を撮影したビデオも見られましたが、本当にひどいです。
国連の人種差別撤廃条約を日本も批准していますが、差別を禁止し処罰することとした第4条についてだけ留保しているとのことです。
日本はその理由として、「わが国には深刻な差別はない」「表現の自由がある」としているといいます。
しかし現にヘイトスピーチがあるほか、東京医科大の入試問題のような性差別など、日本には差別が存在しています。
また、確かに憲法には「表現の自由」がありますが、特定の国籍や民族に対する醜悪な言葉まで単なる表現として守られなければならないのでしょうか。
憲法12条では自由と権利を乱用してはならないこと、13条では、国民の権利については、公共の福祉(人権と人権の衝突を公平に調整すること)に反しない限り、最大の尊重を必要とするとしています。
自由や権利を乱用し、他人の権利を侵害してはならないということが言われているのです。
ヘイトスピーチは特定の人たちを差別し、野蛮な言葉で貶めるものです。明らかに他人の権利を侵害するもので、自由を盾に守られるべきものではなく、憲法に則れば非難され社会から排除されなければならないものです。
ヘイトスピーチ解消法が成立して3年たつものの効果は少なく、むしろ社会の中に差別的な考え方が浸透している感すらあります。差別に対するより厳しい対応が政治・社会に求められていると思います。
安田さんのお話では、なぜヘイトをやるのかというと、それは娯楽で、面白いからやっているだけだということが取材してわかったことだそうです。
そんな理由でヘイトをまき散らすなんて、本当に許せないと思います。いったい何が面白いのか。少数の、弱い立場の人々を追い込んで喜ぶ感覚が私には到底理解できません。
ヘイトを許さないというだけでなく、社会的に取り締まる実効性ある対策が必要です。
罰則のある法律や条例の必要性を深く考えさせられました。