6月18日に日本共産党練馬区議団として一般質問を行ないました。
区長の基本姿勢として、ヘイトスピーチについて質しました。以下は質問の全文です。
ヘイトスピーチへの対策についてうかがいます。
近年、特定の民族や人種に属する人々へ不当な差別的言動を行う、ヘイトスピーチの蔓延が問題となっています。
練馬区でも、今年3月に本庁舎において各地でヘイトスピーチを繰り返している団体の代表による講演会が企画され、中止を求める住民が駆けつける事態が発生しました。
なぜ差別を繰り返す人物の講演会に区立施設の貸し出しが認められたのか。これは、区の規則にヘイトスピーチを目的とした利用への制限がなかったためです。
2016年5月に「ヘイトスピーチ解消法」が成立し、今年3月、法務省はこれまで野放しとなっていた「選挙活動」の名を借りたヘイトスピーチに対して「適切に対応する」ことを求める通知を全国の法務局に出すなど、ヘイトスピーチは人権侵害との認識で根絶へ努力が始まっています。区はヘイトスピーチについてどのような認識か、お答えください。
川崎市では、ヘイトスピーチが行われる可能性が高いと判断した場合、公共施設を貸し出さない方針をとり、そのためにヘイトスピーチ防止のガイドラインを2017年11月に策定しています。
区も今回の件を受けて、会議室の利用要綱に基づき、使用にあたり申請団体への確認を強化していると伺っていますが、川崎市のガイドラインを参考にして区立施設を利用したヘイトスピーチを、未然に防ぐための方策を早急に検討していただきたい。
その際は表現の自由など憲法の保障する自由と権利を不当に侵害しないことに配慮しつつ、差別的言動を許さない区の立場を明らかにするよう求めます。区の見解をうかがいます。
答弁は区企画部長がおこない、「ヘイトスピーチは不当な差別的言動であり、許されるものではない」との認識を示しました。
公共施設の利用に当たっては、条例や規則などにもとづき、利用の目的や対象者などから利用の可否を判断すること、場合によっては次回の利用を遠慮してもらうなど対応するとしています。
そうした対応をしていることから、ガイドライン作成は考えていないとの答えでした。
また、東京都が「オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」にもとづいて公の施設の基準を定め、ヘイトスピーチをする団体の利用が制限できることをあげたうえで、東京都や他自治体の対応に注視して、研究を深めるとしました。
許されないと表明したことは重要ですが、より踏み込んだ対応が必要ではないかと思います。
差別は放置すればどんどん広がり、特定の民族・国籍の人に留まりません。現に自国民に対しても向けられていると思います。しかも標的にされるのは、高齢者、障害者、女性などいつも弱い立場の人たちばかりです。
人種や民族、国籍、性別、世代の違いなど様々な人がいて当然の社会の中で、違いを認め合いお互いを尊重・尊敬しあう社会であってほしいですし、そのために取り組んでいきたいと思います。