25日に開かれた都市整備委員会に、東京都・特別区(23区)・26市2町が協働で作成した「東京の都市計画道路の在り方に関する基本方針」案について報告があり、質疑が行われました。
東京都ホームページへのリンク http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kiban/tokyo/draft.html
都市計画道路は、計画決定してから半世紀以上たっているものも少なくなく、まちの状況や少子・高齢化などに伴う自動車交通量の減少など現在の社会状況に合わなくなっていることもあり、各地で廃止を含め見直しが行われています。
たとえば2016年3月の時点で、大阪府は337路線、兵庫県で163路線、京都府で120路線を廃止しています。 ※国交省「都市計画道路の見直しの手引き」参考資料より
しかし東京都が廃止したのはわずか2路線だけです。
日本共産党は、各区議会や都議会などで不要不急の都市計画道路を見直すよう求めてきました。
今回東京都などが発表した方針はそれにこたえるものか?と思いきや、中身をみるとそうではありません。
方針では見直しする路線から東京都の「第4次事業化計画」で優先整備路線とされたものや事業中の道路は外されています。
しかし、優先的に整備するという路線のなかにも費用も含めた実現性や必要性、地域コミュニティへの影響から考えて存続を問われるものがあります。
そして、それらを除いて検討対象になった路線は全都で約535kmありました。練馬区では15路線が対象とされています。
これをふまえて具体的な検証結果を見ていくと、練馬区関連では補助229号線(下石神井4丁目南東の千川通り、660m)について現存の道路でよしとする計画変更を行なう、とのことです。
しかし、それ以外の14の路線についてはどこを見ても具体的な見直しは全然出てきません。結局、検討対象にしたものの、検証の結果そのまま存続であるということです。
加えて同様の見直しは、全都で9.13kmにすぎません。
その他の検証する点も、立体交差計画をどうするか、交差点を拡幅するかどうかなど、部分的な見直しに過ぎず、計画の廃止は視野にも入っていません。
これで見直したと言えるでしょうか。535kmも検討対象にしながら真剣に検討したと言えるのか。
小池都政は都市計画道路について「整備すべきものは整備し、見直すべきべきものは見直す」を基本的立場としていますが、開けてみれば「整備すべきもの」ばかり。今度の見直しは極めて中途半端で、「見直しをした」というポーズ、アリバイづくりとしか思えません。
いま「東京の都市計画道路の在り方に関する基本方針」案について、8月12日までパブリックコメントを募集しています。ぜひみなさんのご意見をおよせください。
東京都ホームページへのリンク http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kiban/tokyo/draft.html