区議会定例会、2019年度決算審議のなかで、3月から開始されている羽田新飛行ルートについて質問しました。
渋谷区議会では、6月に「羽田新飛行ルートの再考を国に求める意見書」が全会一致で可決されています。
こうしたもと、国は「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」を立ち上げました。第1回の検討会に出された資料では、新飛行ルートの背景として、国際競争力の実現ととともに、首都圏全での騒音負担の共有ということが記されています。
これまで羽田空港の騒音は千葉県が負担してきたから、首都圏全体で負担を共有するというのです。さらに、それを千葉県と約束したと言うのです。
これまで住民説明会が各地で行われてきましたが、このような説明はなかったと思います。国交省が配布していた、「羽田空港のこれから」という冊子でもそうした記述は見当たりません。
その点を区に質しましたが、国が立ち上げた協議会のなかでそうした意見が出されている、いきなりとは考えていない、というものでした。
区が聞いていたとしても、住民にはそうした説明がなく誰も認識していなかったことは明らかです。日本の成長のため、国際競争力の強化のためと言われ続けてきました。
運用が開始されてからそんなことを言い出すのは誰もがおかしいとおもうのではないでしょうか。
いま新型コロナの影響で、国際線は9割、国内線は4割減便しており、新ルートの必要性はなくなっています。国交大臣は「今はデータを集める助走期間だ」などと発言していますが、新ルートを続けるための方便でしかありません。
区側は、羽田の機能強化は必要で、都民の利便性向上になる、国に意見する考えはないという答弁でした。
しかし、仮に増便が必要だとしても、何も人口密集地の上を飛ばすことはありません。固定化回避に係る検討会が立ち上がったことからも、ルートの見直しを求めるべきではないかと質問しましたが、これも考えはないという答え。どこまで行っても平行線、暖簾に腕押しだと痛感しました。
新飛行ルートは、元パイロットの杉江弘さんなどから、様々な角度から問題点が指摘されています。
国交省は無理だと考えていたのに、官邸が押し切ったということ報道もありました。練馬区は国の言うことを鵜呑みにして思考停止せず、住民を守る立場で直視してほしいと思います。