決算審議のなかで、再生可能エネルギーの推進について質問しました。
一昨年9月の北海道胆振東部地震では、北海道電力苫東厚真石炭火力発電所の3基がすべて停止したことが全道停電、ブラックアウトにつながりました。災害に強いまちづくりを進めるためにも、大規模発電から分散型への転換が必要です。
需要があるのに予算を減額する不可解
練馬区では太陽光などの再生可能エネルギーの設備をつけた家庭や事業者に補助を行なっています。
昨年は、太陽光発電が99件、家庭用燃料電池システムが522件、蓄電システムが165件などとなっています。
実績に対して申請数は、太陽光では103件、エネファームは550件です。このように申請数が多い場合、抽選になりますが、この制度は設備を付けた後に申請という仕組みになっているので、同じ設備を入れたのに補助をもらえる人ともらえない人が出てしまいます。
再生可能エネルギー省エネルギー設備設等置補助の予算は、2018年が4618万円でこれを使い切っているのに、2019年は4554万円に減額されていました。
さらに今年度予算は4497万円です。これは、むしろ増額するべきじゃないかと主張しました。
補助額の引上げを要望
また補助額は、太陽光発電は区民の場合、上限5万円です。しかし葛飾では1キロワットあたり8万円で上限40万、杉並区は1キロワットあたり4万円ですが上限は12万円など、他自治体では、5万円以上のところが多くあります。補助額を引き上げるべきだと思います。
医療機関等への補助は実績ゼロ!
さらに、福祉避難所や医療機関むけに、太陽光発電や蓄電システムの設備設置補助制度もあり、デイサービスセンターや特養ホームなど22か所の対象施設がありますが、冊子「ねりまのかんきょう」によれば、補助した実績はゼロとなっています。
こうした施設での設備設置には50kw程度の場合だと、1,500〜2,000万円程度など、大変な費用がかかるのですが、区の補助の上限額がたったの20万円しかないことが問題と思います。
かかる費用に対して、20万円では少なすぎて、設置を促す材料にならないと言わざるを得ません。100万円単位の補助が必要と思います。
再生可能エネルギーを拡大し、原発ゼロの日本を
この間、太陽光発電など再生可能エネルギーのコストは技術の進歩とともに下がっています。世界では太陽光・風力は原発よりも安く、1kW時あたり10円未満で供給されています。
日本の電力供給にしめる再生可能エネルギーの比率は23%で、デンマークの59%、ドイツの41%、スペインの38%、イタリアの35%、イギリスの33%などを大きく下回っています。
災害につよいまちづくりや、温暖化防止、雇用の創出にもなる再生可能・自立分散型エネルギーの推進はこれから大きな可能性を持っています。
核のゴミなどの負の遺産を生まない、火力のように地球温暖化・気候変動対策にも逆行しない再エネは、原発ゼロの実現にもつながっています。
充分な予算を確保し、取り組みの拡充を要望しました。