いま物価高騰が大変です。
4月の消費者物価指数は生鮮食品をのぞいた総合指数が前年同月比で2.1%上昇し、消費者の生活実感に近いとされる生鮮食品も含めた総合指数は2.5%上昇していて、くらしと営業を直撃しています。特に、生活に不可欠な食品や光熱費が値上がりし、低所得者ほど影響は深刻です。
事業者へ物価や燃料高騰分の支援を求める
政府の緊急経済対策は、石油元売り業者への補助金延長や事業者への資金繰り支援などが中心で規模も内容も危機に対応できるものとは言えません。
あらゆる業種に物価高騰の影響が及ぶ中、価格転嫁が進んでおらず、事業者を直接支援で支えることが必要です。国へ事業復活支援金や家賃支援給付金を再度実施することを求め、練馬区で物価や燃料高騰分の負担軽減補助を行うよう求めました。
区は、事業者に対する特別貸付や借款特別貸付を今年9月まで受付期間を延長していることなどをあげ、家賃支援給付金や今月17日で受付終了となる事業復活支援金については、国に再実施を求める考えはないという答弁でした。
消費税減税、インボイス制度の中止を
事業者の苦境に追い打ちをかけるのが、来年10月から予定されている消費税インボイス制度です。
現在、免税業者である年間売上1,000万円以下の業者やいわゆるフリーランスや個人事業主などの働き方の人たちは、この制度が導入されると取引から排除されるか新たな税負担が増えることになります。
シルバー人材センターが1センター当たり1500万円の消費税負担が新たに増えることになるという問題も生じます。
これでは、コロナ危機・物価高騰で苦しむ事業者などを更に追いつめ、倒産・廃業を増やすことになります。
今やるべきことは、インボイスではなく、消費税の5%への引下げです。世界では既に91ヵ国国が消費税減税を実施しています。消費税の5%への引下げとインボイスの中止を国に求めるべきと訴えました。
区の答弁は、「現在の免税事業者は、インボイスを発行するために課税事業者になることも、免税事業者を継続することもできます。免税事業者を継続しても、売り上げ先が消費者又は免税事業者である場合などは、取引への影響は生じないと考えられます。また、免税事業者等からの課税仕入れについても、仕入れ税額相当額の一定割合を控除できる経過措置が設けられ、免税事業者への取引上の配慮がされています。」というものでした。
免税業者のままでは取引先の消費税負担が増えるため、取引を断られる可能性があります。取引相手も免税業者というケースがどれほどあるのでしょうか。また、経過措置はあくまで経過措置であり、それが終われば課税業者になることを選択せざるを得なくなり、税負担がかかります。
区の消費税に対する姿勢は、「社会保障費の財源を確保するためには、消費税は不可欠」というもので、「国に消費税の税率引下げやインボイス制度の中止を求める考えはない」という、住民生活や事業者への影響を顧みないものでした。もっと寄り添う姿勢を見せられないのでしょうか。