練馬区議会第3回定例会初日の9月7日。
自民党の提案で「卑劣な暴力に屈せず、自由で公正な民主主義を堅持する決議」が与党の賛成で可決されました。日本共産党練馬区議団は反対しました。
決議文は、最初に安倍元首相の銃撃事件に言及したうえで、最後に「暴力の根絶と自由で開かれた民主主義の堅持に力を尽くしていくことを誓う」となっています。
しかし事件発生後、統一教会と安倍元首相が深い関係にあったこと、さらに多くの自民党議員が関係していることが次々と明らかになりました。
自由や民主主義を守らなければならないことは当然ですし、事件直後なら態度は違ったかもしれませんが、こうした情勢の下で安倍氏を引き合いに出して「民主主義の堅持」と言っても、説得力がありません。
こうしたことから、賛成はできないと考えました。
統一協会や国葬の問題があるいま・・・なぜ決議か
事件からあまり時間がたっていない時期に、他区議会で共産党が賛成したところもありますが、今の状況では統一協会の問題と切り離してとらえることは難しく、また今岸田政権が国葬を強行しようとしていること、反対の声が多数になっているも相まって、なぜ今提案するのかといった疑問もありました。
決議には他にも反対の会派があり、議会であげる決議は議会全体の意思を表明するもので、全会一致が望ましいものですが、その点でも問題がありました。
議会運営委員会でそうした意見を表明したところ、他会派の発言も含めて、自民党の委員からは反論がありませんでした。
自民党としての考えや思いがあっての提出だったと思うのですが、今の情勢があって反論しにくかったのか、そうしなくても可決できると思ってのことかはわかりません。
決議の内容は自民党にこそ問われる
安倍氏の国葬に16.6億円以上かかることが明らかになりました。法的な根拠もなく、国民大多数の支持もなく、閣議決定だけで決めていいことではありません。
国葬だからと、学校などの公的な施設や職場で、黙とう、弔旗・半旗の掲揚など弔意の表明を強制されることになりかねません。
これは内心の自由、ひいては基本的人権の問題であり、民主主義の根幹にも関わるのではないでしょうか。決議は自民党自身にいま、突きつけられていると思います。