岸田政権が介護保険の大改悪をしようとしています。
要介護1・2の保険給付外しやケアプランの有料化など、7項目の過去最悪と言われる提案をしましたが、社会保障審議会での反対意見、20万をこえる反対署名が集まり、ほとんどは先送りとなりました。
しかしあきらめたわけではなく、今後も議論を続けていくとしており、油断できない状況です。
介護保険は制度開始以来20年、事業所が受け取る介護報酬の引き下げや、訪問介護の時間短縮など切り下げが続いてきました。
保険料も、練馬では基準額が月6600円と、一番初めの2倍以上になっています。(保険料は年間所得によって変ります)さらに将来は9000円まであがると予想されています。
高齢者の暮らしも楽ではありません。全国の年金者547万人のうち、月5万円以下が300万人。
国の調査の結果では生活が苦しいという人が5割に上ります。
来年、2024年度(令和6年)は、介護保険料が改定される年です。
保険料を上げる一方、練馬区は介護保険の基金(貯金)を47億円と、2015年から3倍以上に増やしてきました。こうしたお金も活用して、保険料をあげないようにするべきです。
しかし区は、「介護保険料の上昇は避けられない」と、抑制する姿勢がありません。少ない年金がカットされている状況で、保険料をあげるなんて許せないと思います。
介護職の待遇改善も、人手不足がいっそう深刻になるといわれているもとで、喫緊の課題です。
練馬区では、「令和7年には約1,700 人が不足し、令和22 年には約3,100人が不足する」(第8期高齢者保健福祉計画・介護保険計画)と見込まれています。
◆現在3本立てになっている介護報酬の処遇改善加算を1本化すること
◆介護職以外の職も含めた加算にすること
◆人材確保のために求人広告・派遣業者への支払いに100万円以上もかけている事業所があり、こうした問題をなくす支援
など、区に求めました。
加算の一本化については、次期の介護報酬改定に合わせて国が検討するとしている、とのこと。
処遇改善加算は、介護職以外の改善を行うことも認められている、と区は答えましたが、そうすると一人当たりの賃金引き上げ額が薄まってしまうのではないでしょうか。答えになっていません。ごまかしです。
人材確保については、就職面接会や資格取得支援などを行っているとしました。それでも間に合わない状況があるわけで、この先どうするのでしょうか。
なにより国の姿勢が問題です。税を原資とする国庫負担を大幅に増やし、介護報酬を抜本的に引き上げるとともに介護職を重要な雇用の創出の場と位置づけ、将来の展望を持って長く働き続けられる職になるよう取り組むことが必要だと思います。
保険料や利用料の負担についても軽減し、生活を圧迫することのない水準にして必要な介護が十分に受けられるようにすることを、区に求めていきたい。
今を生きる高齢者のためはもちろんですが、将来誰もが高齢になります。いまの現役世代が介護を必要とする年齢になったとき、あってよかったと心から思えるような介護保険を目指し、力をつくしたいと思います。