「仮称・改革ねりまプラン」では、労働力人口の減少や職員の昇任意欲の低下による人材確保の困難があり、そのため職員のキャリアプランを応援する体制、外部人材の採用強化に取り組むとしています。
練馬区は、過去4回にわたって区職員を減らし、1,100人の削減を進めてきました。区民に応えなければならない行政需要が増しているなかで、職員削減をすれば、業務負担が増えてしまいます。
昇任することで仕事が大変になること、家庭での時間が取れないなどから昇任を避ける例があるということです。
職員削減からの転換を
だとすればこれまで削減する一方だった職員を増やす方向に転換するべきです。会計年度職員という非正規公務員を増やしていますが、そういう人を安く使い捨てるような姿勢を改めることだと思います。
区はそれでも「職員定数の適正化に取り組んでいく」つまりは従来通り削減を進める答弁をしました。
会計年度職員にしても、前のブログに書いたように待遇を改善するための提案に対し、前向きな答弁はありません。
これで改革ねりまができるのでしょうか。行政を人の力で成り立っています。プランではDXを進めるとしていますが、それはあくまで道具・手段にすぎず、扱うのは人です。
「最小の費用で最大の効果を上げる」という言葉がありますが、これは正確には、最小の費用の「その費用の範囲で出せる」最大の効果、だと思います。
人も同じです。50人と100人とでは、引っ張り出せる最大の効果の大きさは必ず違うでしょう。
働く人を使い捨てる社会から脱却しよう
バブル崩壊後30年、日本企業ではリストラが繰り返され、人件費削減がよいことのように扱われてきました。非正規雇用を拡大し、人を安く使い捨てることで利益を最大にし、大企業の内部留保はついに500兆円に達しました。
しかし世界における日本の経済的地位は低下する一方です。
能力のある技術者が退職しようとしても、人件費が減るからと引き留めることさえしなくなったという話も聞きます。目の前の利益優先、経費削減を優先して人を大事にしないできたことが、日本の経済力・競争力を低下させてきたひとつの、そして大きな要因ではないでしょうか?
仮称・改革ねりまプランには、「国際競争力が低下し、日本は他国の労働者から選ばれない国になりつつあります。」という一文もあります。
日本の実質賃金は1997年から2021年に平均で年収61万円も減りました。
自国の労働者も豊かにできない国が、他国の労働者から選ばれるわけがありません。練馬区もそうしたことをふまえ、職員の確保・育成の政策を立てていくことが必要です。