新型コロナウイルスの拡大が問題になっている中で、区議会第1回定例会最終日、「新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に関する意見書」が全会一致で可決されました。
感染症対策への技術的、人的、財政的な支援を行うこと、ワクチンの早急な開発、マスクや消毒薬等の安定供給の確保などを盛り込んでいます。練馬区は特に医療環境が不十分な地域なので、なおのこと構えが必要になっています。今後もしっかり取り組んでいきます。
議会最終日はそれと同時に、羽田新飛行ルートをめぐり与野党から2つの意見書が出されると言う事態となりました。
野党側は「羽田新ルートの影響の検証と区民への説明を国に求める意見書」、与党側は「羽田空港の機能強化と地域の良好な住環境の両立を求める意見書」でした。
採決の結果、与党案が可決されました。
私たち共産党区議団、立憲民主、市民の声、生活者ネットなど野党6会派で話し合い意見書案を練り上げました。
羽田新ルートについて、落下物など様々な懸念や危険性が指摘されていること、実機による試験飛行が行なわれたことから、その影響を検証し住民へ説明することと、適切に対処することを求めたものです。
落下物については、この間国は外国航空会社に対策を義務付けするなど「世界に類を見ないわが国独自の基準」を定めたと自慢げでした。ところが、その数は2018年に452件だったものが、2019年は752件と逆に激増しているのです。
対策しても防げないということではないでしょうか。
騒音も、練馬で75デシベルが計測されるなど各地で説明されていた以上に発生していました。
さらに騒音対策として、できるだけ高度を保つため空港への降下角度を通常の3度から3.5度に引き上げたことに対し、ハードランディングや尻もち事故の可能性を高めると、元パイロットで航空評論家の杉江弘氏に加え、国際航空運送協会(IATA)など航空業界やパイロット団体からも懸念が示されています。
しかも、そんな危険をおかしても騒音はほとんど変わらないといいます。
もともと降下角度の変更は、米軍横田空域を避けるためと言われており、騒音対策でなく住民を欺くものではないでしょうか。
与党の意見書案は、「羽田空港の機能強化は不可欠」としており、その前提で対策を求めています。
羽田でなくとも、成田空港を活用するとか、各地の空港を活用すれば地方の活性化につながり、旅行客の利便性向上にもなると思います。
また、落下物について与党案では対策と、被害に対する補償制度の着実な運用を求めています。
それでは仮に被害が発生しても、金さえ払えばよいというんでしょうか?もとより現在のルートであれば何の心配もいりません。
国際競争力強化や経済成長もけっこうですが、そのために生活環境や航空機の安全を後回しにするなどあってはならないことです。
今回、与党案が通りましたが、私たちは新ルートを容認しない立場で取り組んでいきます。