国は新型コロナの扱いを、季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げようとしています。
そうすると、感染者に対し入院勧告や行動制限を課すことができなくなります。いままで公費で行ってきた、治療費の自己負担への段階的見直し、ワクチンの自己負担化など国民負担増となれば、受診控えを招き、命に関わります。感染拡大を抑制できなくなってしまいます。
今までも国のコロナ対策はほぼ放置で無為無策でしたが、いよいよ投げ出してしまおうとしています。
受診できる診療所が増えると言っていますが、拙速に5類へ引き下げてもコロナの脅威が変わるわけはなく、医療機関も対応をハイそうですかと切り替えなどできないと思います。
今後どうするのか、区に問いました。
Q 区長は、「国の方針決定を受け、適切に対応する」としている。マスク着用も国は個人の判断に委ねる方向だというが、区はこれまで着用の徹底を呼び掛けてきた。どうしようと考えているのか?
A マスクの扱いについて国は、見直し時期も含め早期に結果を示すとしている。感染拡大の場合には、一時的にマスクの着用を呼び掛けるなどがあり得るしている。区は国の方針に沿って、適切に対応する。
Q 検査キットで陽性が判明した場合、発熱外来で診察を受け、発生届という運びだが、発熱外来に電話が通じない、つながっても予約がいっぱいということが少なくない。電話がつながらず、あきらめた高齢者もいる。なぜこうなるのか、理由と改善策は?
A 令和2年10月から、東京都が「発熱相談センター」、区もコールセンターを設置し、発熱外来を複数紹介している。
Q 高齢者施設でクラスター感染が多発、入院できず施設に留め置かれたことが被害を広げた。病床ひっ迫と救急医療の崩壊が深刻になった。高齢者施設での頻回検査や、治療を受けられない事態をうまない対策など、5類に移行した後も引き続き対策を。
A 国はクラスター防止対策を続ける。東京都は、高齢者施設等職員への検査の継続を要望している。引き続き、病床の柔軟な対応を行うとしている。
Q 都立病院・公社病院の独立行政法人化が機能を低下させている。脆弱な医療体制の強化を国、都に求め、5類への引き下げは中止するよう国に求めること。
A 独法化は、感染症、救急、小児、周産期など行政的医療の提供や地域医療の充実への貢献など、都立病院が担う役割を安定的に果たすためのもの。(5類への引き下げについて)国に意見を挙げる考えはない。
区は国の方針に従うだけのようです。電話がつながらないことに対しては答弁がなく、対策はないと思われます。ワクチン接種では「練馬モデル」をつくったと随分自慢していましたが、感染防止対策では練馬区としての自主的な姿勢が大きく見えません。
国が対策を国民の自己責任に投げ出そうとしているもと、ここでぜひ「練馬モデル」をつくってはどうか。入院治療のことまで区で体制をとることは難しいと思いますが、検査をより気軽に受けられるような施策、保健所の体制強化など、区の手が届くところでぜひ取り組んでほしいと思います。