「特別支援教室」は発達障害のある子どもたちを支え、成長に大きな役割を果たしています。「特別支援教室」で指導を受ける児童・生徒は、文京区でも平成28年度(2016年)の105名から令和2年度(2020年)には320名と約3倍になっています。
ところが都教育委員会は今年3月、子どもたちが教室で指導を受けられる期間を原則1年、延長しても2年までとしました。さらに区市町村ごとに児童・生徒10人に1名とされている教員の配置基準を、来年度から12人に1人に引き下げると、区市町村教育委員会に説明しました。
都は、区教育委員会に削減計画を提出するよう指示し、区では令和4年度(2022年)から、小学校1名減の33名、中学校で2名減の5名と回答していることが明らかになりました。
このことを知った校長、教員や保護者等から「障害は治るものではなく、年齢ごとに新たな課題が生じてくるので、指導期間の制限は現実的でない」「中学1年で教室に入った場合、3年生で指導が受けられなくなるのは困る」「年度途中の入室などにより、今でも1人で13人、15人と受け持つ教員がおり、さらに増えた場合、回していくのは困難」など、到底受け入れられないという声が上がっています。
今回のことは、35人学級が拡充される一方で、「特別支援教室」の教員の削減という豊かな教育を保障することに逆行するものです。教員の配置基準を、引き下げないことや、年度途中に児童・生徒が増加することを見越した配置基準に改善すること、また、指導目標の達成に2年以上を要する場合や、新たな課題が生じた場合は、2年を超えて指導を受けることも可能であることを明確にすること、区や学校が地域の実情を踏まえて行っている拠点校設置方法や指導の工夫を尊重する等、東京都に要望するよう予算要望書の提出時や、本会議質問で区長、教育長に要望しました。
2021.11.19