本日(21日)で、武蔵村山市の3月市議会は閉会しました。
予想通り、議会中はほとんど更新もできず、これから順次報告していきますが、
本日は18年ぶりに一般会計予算に賛成したことを先に報告しておきたいと思います。
【評価点① 学校給食費・子供の医療費 / 2つの完全無償化が予算化】
武蔵村山市の2024年度の一般会計当初予算額は、355億9,246万8千円となります。過去最高の当初予算額です。市税は定率減税(所得減税)などで多少減るものの、新自由主義の象徴的な税連動交付金(利子割・配当割・株式等譲渡所得割・法人事業税・環境性能割など)及び地方交付税交付金の伸びによるものです。市民の所得が増えたのでなく格差拡大を意味しています。
市はこのような中で、他市に「学校給食費の完全無償化」と「子どもの医療費の完全無償化」の二つの無償化を予算化しました。
これらは、昨年の市議選の党議員団の重点公約というだけでなく、
教職員や保護者が長年運動してきたことや党議員団の議会論戦が市や他党の認識を変えさせてきた大きな成果だと考えます。
さらに、他市に先がけて予算化したことも評価できる点です。
学校給食費の完全無償化は、23区では全ての区でスタートしていますが、
26市ではほとんど進んでいません。
都の半額補助制度が開始されても本市含めて10市に留まっています。
子どもの医療費完全無償化も、4月以降実施するのは、本市含めて9市です。
近隣市と比べても自主財源が多くない本市が「無償化」することは、
とてもインパクトのあることであり、
本市の投じた一石は波紋のように全国の無償化に道を拓くものになると期待しています。
【評価点② 大型公共事業がスタートしても市民サービスを維持】
評価点の二つ目は、大型公共事業がスタートしても市民サービスが大きく後退していないことです。
本市では、多摩都市モノレール延伸につながる「新青梅街道拡幅による汚水管布設替事業」に約6億7千万円、
小学校の給食センター建替えの「防災食育センター整備事業」に約42億5千万円が計上されました。
他の自治体では大型公共事業に合わせて市民サービスをカットしたり、
公共施設の統廃合を行ったりしますが、本市では住民サービスを維持するばかりか、「若年健診」や「低所得妊婦初回受診料支援事業」、「学童クラブ昼食提供事業」、「スクールソーシャルワーカーの強化」など、市民から喜ばれる事業も予算化されています。
これは「大型開発に伴う住民サービスカットは認めない」と主張してきた党議員団の主張にもかみ合う施策展開です。
【問題点① 市職員に存在する間接差別】
市職員の正規職員・会計年度任用職員の男女別の人数や年収を比較すると、正規職員では男性が71.9%、女性は28.1%ですが、
任用職員だと男性は13.3%、女性は86.7%と逆転します。
全職員の年収で男女を比較すると、
男性職員の年収を100とすると、女性は4割程度しかありません。
また、福利厚生では、忌引、結婚、子ども看護、育児時間などの休暇は、
任用職員の日数が正規職員よりも短いことも明らかに…。
これらをまとめて「間接差別の認識はあるのか」質したところ、
市は「間接差別にあたると考えていない」と回答。
雇用形態を通じた女性差別であることは明白です。
国際社会では「間接差別」にあたる問題に対する認識の欠如は非常に問題です。
【問題点② 地域公共交通問題 / 深刻な交通不便】
2022年よりMMシャトルをむらタクに置き換えたことで、西部地域の不便さが深刻な状況です。
むらタク対象地域の拡大により、
利用が3倍超に増えたことで、
「希望する時間帯に予約できない」
「予約した時間に迎えが来ない」
「移動に時間がかかり、予定が立てられない」などの苦情が市にも届いています。
西部地域では高齢者の運転免許証返納にも躊躇する市民も増えており、
交通弱者の声を聞かずに経営効率を優先した市の責任は大変重いです。
このような討論を行い、総合的に判断して18年ぶりに賛成をしました。
今回は、全ての会派が賛成したので、議会だよりに予算に対する討論は掲載されません。
(本市は賛否が分かれた討論のみ掲載となっています)
取りあえず、先に一般会計予算の賛成理由について紹介しましたが、
次回は、国保や介護、後期医療などの特別会計の反対理由について、
その後は一般質問などについて報告していきます。