内野なおき

武蔵村山【24年6月議会】公共交通を質問。

2024.07.16

▶2024年2定・一般質問(第1項目)「交通弱者の意見が反映される地域公共交通に」

武蔵村山市では今年と来年で、
地域公共交通に関するマスタープラン(地域公共交通計画)を策定することから、6月議会の一般質問では持ち時間(100分)の半分をかけて、地域公共交通に関する市の考えとこれまでの取り組み、今後の課題などについて質問しました。

市内を走るMMシャトル(コミュニティバス)

はじめに、
地域公共交通に関する本市の現況と課題について質問しました。
市は『市民意向調査』『利用者意向調査』結果などを引用し、
「MMシャトル(コミュニティバス)は市民の8割が利用しておらず、むらタク(デマンドタクシー)は4割の市民が存在すら知らない状況なので利用促進や広報が必要」と回答しました。
私は、MMシャトルやむらタクの認知度や利用状況だけでなく、地域特性や高齢者や障害者、妊婦など交通弱者についても踏まえる必要があることを強調。

例えば、むらタクはMMシャトル運行が廃止された地域で、バスの代替手段として2016年から導入され、2022年より対象地域が拡大されました。利用者が増えたことで希望の時間に予約できない、乗り合いタクシーのため迂回が増えると予定の時間に到着しないなどの問題もありますが、
そもそも、①日曜・祝日は運行しない、②運行時間が午前8時~午後5時(予約は4時40分まで)のため、病院が混んでいると帰りの利用ができないなど、バスの代替手段にはなり得ない実態も明らかに…。

現状を考えれば車の台数を増やさなければなりませんが、
元々、事業費削減が目的の一つでもあるため、その決断ができない状況が続いています。
そのため、MMシャトルが運行しない市の西部地域は他の地域と比べて、
「買い物難民・医療難民」「高齢者の運転免許証返納ができない」といった悩みが他の地域よりも多く寄せられます。

また、市は、OD調査(無作為抽出の住民アンケート)や利用者アンケートを元にMMシャトルの運行ルート再編を行ってきました。

ところが、2011年実施のOD調査では76歳以上の高齢者が対象から外されたため、現役世代のためのルートにされました。その後も、交通不便地域住民(市民の3割)の意見は少数意見だからと、反映されることなく西部地域のルートが廃止されてしまいました。
私は、この間のアンケート調査や分析方法が誤っていたのではないかと質したところ、市は「過去にはアンケートの対象を制限していたが、その後は改善している」と、誤りを認めました。

MMシャトルが運行を開始した1980年(昭和55年)の頃は、一筆書きのような路線図となっており、日中に市内を生活する人の「足」となるような運行でした。
ルートが再編される度に、利便性向上という名のもとで利益が最優先され、
運転免許証のない女性や高齢者、障害者よりも通勤・通学者利用や駅への乗り入れなどが重視され、
現在では、路線バスと同じような地域をMMシャトルが走っています。

市はこれまで、① MMシャトルは、民間バスの走らない地域を補完する、② むらタクは、MMシャトルの走らない地域を補完すると、説明してきました。

この考え方に立ち返り、
誰もが、どの地域に住んでいても安心して住み続けられる街づくりのための公共交通にするべきだと考えます。

「地域公共交通計画」の策定にあたり、
これまで以上に多くの市民の意見を聞き、
民間バス・タクシー、MMシャトル、むらタク、自家用車、自転車の移動手段、
買い物難民、医療難民、高齢者の運転免許証返納、引き困り対策なども網羅できるように
市民の皆さんと議論していきたいと考えています。

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