内野なおき

武蔵村山【24年6月議会】PFAS汚染の発生源特定を求めて質問。

2024.07.18

▶2024年2定・一般質問(第3項目)「PFASの発生源の特定を求めて」

健生会PFAS専門委員会が作成したガイドブック

3項目目は、
発がん性物質の有機フッ素化合物(PFAS)の汚染源に関する質問です。
この間、東京都が行った地下水調査のうち、国の指針値を超える値が検出された自治体は7区14市に上ります。武蔵村山市でも令和4年度の調査で1か所、指針値を超えています。

都は、指針値を超えた自治体が申請すれば、周辺地点の追加調査を行うとしていましたが、
本市は〝申請していなかった〟ことが判明。
その理由について確認すると、市は「都内では本市よりも高い値が検出されており、他自治体の方が優先順位が高いと判断した」と説明。

本市で行われた調査はわずか4か所だけです。
これだけで市の地下水が他市よりも低いと、何故言い切れるのでしょうか?
1か所でも指針値を超えているのであれば、全市的な調査を定期的に行わなければ、
「安全」など分かるはずもありません。
特に昨年1月には760㍑(国の指針値の5万4千倍超)の泡消火剤が漏出しています。
市民の不安を考えれば、数年単位で調査を求めることは当然のことではないでしょうか。

排水の様子(写真はイメージ)

もう一つ気になったは、
市内にPFASを扱う企業が存在するにも関わらず、市は調査をするつもりが全くないということです。
PFAS汚染は米軍による泡消火剤だけでなく、半導体工場やメッキ工場といった化学工場、産業廃棄物処理場周辺からの排水からも検出されています。
兵庫県明石市などでは、
独自の調査を行い、発生源の民間企業に対して除染対策を求めています。
同じようなことを市として行わないのか質しましたが、
明石市は市が水道事業を所管しているが、本市の水道事業は東京都が所管しているため、「そのような考えはありません」とまるで他人事でした。

横田基地の泡消火剤漏出事故を報じた沖縄タイムス

最後に、NHKクローズアップ現代で放送された内容を紹介。
米国やドイツの米軍基地で漏出事故が起きた場合は米軍が費用負担して調査・除染を行い、近隣住民に対しての説明会などを開催しています。
同様の措置を米軍横田基地と防衛省に求めたらどうかと質したところ、
市は「泡消火剤の漏出への対応は国に要請している。市独自の行った調査費用を請求したとしても、法的根拠はないため難しいものと考える」との答弁でした。

2021年の消火訓練の様子②(米軍横田基地HPより)

クローズアップ現代では、
基地の隣に位置する多摩開墾と思われる畑の土の成分を検査したら、
1㎏あたり13万ナノグラムという超高濃度のPFASが検出されました。
結果を聞いた農家は「農業(を止めること)を考えるしかない…」とコメントしています。
人の健康や命を大きく左右する問題に対して、
国や米軍は真剣に向き合ってもらいたいものです。

2024年2定・一般質問(第4項目)「地方自治法の廃案を求めて」

4項目目は地方自治法案の廃案を求めて質問しました。
(6月19日に参院本会議で自民・公明・維新などの賛成多数で可決成立)
国が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断した場合、
住民の意思を無視して地方自治に介入できる法改悪です。
私は①国民の安全に重大な影響を及ぼす事態の定義や②特例関与の内容、③憲法違反にならないのかなどを質問しましたが、市は「市として承知していない」「市として意見を申し上げる立場にない」といった答弁。

国民にも地方自治体にも詳細を知らせずに、
時の政権の一存で、国民や地方自治体の権利を制限できるようなやり方は、
戦前の日本や独裁国家そのものであり、およそ民主主義国家の姿ではありません。
市にも同じ立場で国に意見してもらえるよう頑張ってもらいたいです。

最近のNEWS