第2項目:日米同盟強化に伴う本市のリスク
2項目目は、欠陥機オスプレイの事故報告書に対する市の受け止めと、
沖縄県で繰り返される性的暴行事件&隠蔽を受けて、横田基地に関連する事件・事故に関して質問しました。
不十分な報告書に市は追加報告を求めず…
まず、昨年11月29日に屋久島沖に墜落したCV‐22オスプレイの事故報告書について、市の認識を質しました。報告では墜落の原因を① 左側エンジンのギアボックスの不具合、② 操縦士の意思決定にあるとしています。
この報告書は、これまでよりは詳しく説明されている部分もありますが、根本原因は未だ不明かつ亡くなった操縦士に責任を押し付けるものとなっています。
そのことについて、市に認識を確認すると「事故報告書は事故の経過、事故の要因等の事実関係について米軍が精査した結果だと受け止めている」と十分とも不十分とも答えませんでした。
ただ、質疑を通じて答弁不能になっても、より詳細な報告を求めるとは言いませんでした。
なぜギアが砕けたのか根本原因は答えられず…
今回の事故原因と紹介されたギアボックスの不具合とは、エンジンの動力を変速するギアの一つであるハイスピード・ピニオンギアがバラバラ(5つに破断)し、さらに細かい欠片が他のギアに詰まったり、歯車を摩耗させ動力が伝わらなくなったとのことです。
これは事故の「原因」でなく、「要因」です。
「どうしてギアがバラバラになったか」が、根本原因を明らかにするということです。
これについて確認しても市は「報告書では減給されていない」と回答。
また、対策は① 飛行再開前に金属探知機で点検する② 適切な時期にギアボックスを交換するとなっていますが、①は1回きりで再開後は行っていませんし、②の交換時期も市は承知していません。
にも関わらず、今回の報告書が「不十分」と言えない市の態度は情けないの一言です。
木原防衛大臣に至っては「形あるものは必ず壊れる」と開き直った発言をしています。
こんな欠陥機が平然と住宅密集地の上空を飛び回っていること、飛行再開に抗議できない防衛省にも市にも怒りを禁じえません。
操縦士の意思決定は間違いと言えるのか?
もう一つの原因とされた操縦士の意志決定についても確認しました。
今回墜落したCV‐22オスプレイは令和5年11月29日午後1時9分に岩国基地を離陸し、午後2時40分頃、屋久島沖に墜落しています。
その間7回の警告灯が点灯しています。(金属燃焼1~5回目・金属燃焼失敗6回目・ICDS故障7回目)
報告書では「3回表示された場合は、実施できる範囲で速やかに着陸する」とあるのに、
判断を誤ったかのように書かれていますが、これは正確ではありません。
米空軍の規則にも「実施できる範囲で…」とあるように、この対応は義務ではありません。
その後、金属燃焼失敗のサインが点灯してからは速やかに緊急着陸を試みようとしていますが、その途中で墜落してしまいました。
エンジン回りに金属片が探知されることは他の機体にも起こり得るためにこのような規則になっているものと考えられますが、他の機体では墜落回避できるようなマニュアルが、オスプレイでは通用しないという事が示されているような結果です。
こんな欠陥機の運用を継続することは、操縦士やその家族にとっても大変不幸なことだと思います。