内野なおき

武蔵村山【なおきニュース第230号】混乱する「マイナ保険証」市内の登録解除24件

2024.12.12

1面の概要(マイナ保険証・コラム)

12月2日より、
国民や医療現場の反対世論を無視して、
健康保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証に「一元化」されました。
石破首相は自民党の総裁選では「併用もあり得る」と主張し注目されながら、
総裁になった途端に、態度を一変していました。
先日の臨時国会で野党の指摘に「総裁選で掲げた政策が(当選したからといって)、この通りやるということにはならない」と公約反故は当然との開き直りに議場はヤジが飛びました。
そればかりか「マイナ保険証の利用促進」に353億円を計上しています。

マイナ保険証はシステムエラー問題をはじめ、多くの課題があるために、
国民から信用されず、利用率も15%程度と低迷しています。
代替策として従来の紙の保険証を必要としながら、
紙の保険証の新規発行を廃止してしまうなど、
いかに「マイナ保険証」が紙の保険証より劣るものであることを証明する何よりの証拠です。

マイナンバーは、経団連からの意見をもとに進められています。
国民の利益よりも、大企業の利益のために動く姿は、「裏金政治」の象徴であり、
国民の投票権を企業献金が侵害しているのではないでしょうか。

2面の概要(国民健康保険運営協議会の様子・子育てコラム・写真投稿)

2面トップは、国民健康保険運営協議会に関する記事です。
市長より検討して欲しいと諮問(しもん)された内容は2点。
① 国保税率改定と、② 均等割の多子減免の存廃についてです。

国民健康保険は「皆保険制度の最後の砦」として、サラリーマンなどの被用者保険に加入できない方を受け入れる医療保険制度です。
元々、自営業者が中心でしたが、現在は年金生活者や非正規雇用者、無職の方など、
高年齢、低所得の方が多くを占めています。
そのため、一人あたり医療費などは他の被用者保険などよりも高くなっています。

国民健康保険は、
前年度などにかかった医療費の総額、国・都からの公費などから必要額(賦課総額)を決め、加入者の担税力から税率を決めて、不足分は地方自治体が一般会計から繰り入れ運用してきました。
これは戦後の近代民主主義からみれば当然の納税民主主義に則った考えです。

ところが、数年前から状況が一変しています。
一つは、2018年から導入された「国保の都道府県化」です。
これは国保税を全国一律することを最終目的に、それまで市区町村単位で決めていた賦課総額や保険税を無視して「納付金(年貢のようなもの)」を都道府県が一方的に決めるようになってしまいました。
もう一つが、2019年から開始された「財政健全化計画」です。
これは、これまで不足分を地方自治体が独自に繰り入れてきた分(本来は国が負担すべき)を、
「赤字」とのレッテルを張り、その解消計画書の提出を市区町村に求めています。

この二つが影響し、全国の地方自治体では連続した国保税の引上げが続いています。
武蔵村山市でもコロナ禍の影響を考慮した2020年を除き、5年連続引上げとなっています。
この結果、同じ所得でサラリーマンなどが加入する被用者保険と比べると、1.9倍も高い保険税となっています。保険税が高すぎて「国保税が納められない」、「国保税を納めると医者にかかるお金がない」と必要者医療を我慢する「受診抑制」で重症化する市民が社会問題化しています。
また、早期発見・早期治療ができず、重症化することで、一人あたり医療費がますます増えてしまうという悪循環も起きています。

これは、国保加入者だけの問題に収まりません。
当初予算時に「財政健全化計画」通り、市からの独自繰入を減らしても、
年度途中に医療費などが足りなくなり、補正予算で予算時に減らした額以上に独自繰入を増やしています。これは、国保以外の市民の税金も投入されています。
また、現在、被用者保険の方も退職してから後期高齢者医療保険に移行するまでは、殆どの方が国保に加入する時期があります。
国保(特に低所得者)にばかり重い負担をしているように見えて、
将来も踏まえると殆ど全ての方に関係する改悪となっています。

これらを解消するには、
1兆円規模の公費負担を国が行うことが必要です。
公費負担の増額に関しては、全国市長会も毎年のように予算要望している内容です。
「公費負担」の増額と「財政健全化」の見直しは喫緊の課題です。


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